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[ ORIGINAL CITROEN DS : CG に対する私見 ]
[ORIGINAL CITROEN DS : by J.Reynolds with J.Lange に対する私見]
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 ◇「始めに」
 CG が久しぶりに企画、発刊した Citroen DS 本(1999) に就いての私見を述べてみたい。( やっと 10 日程前に送られて来た) このような事を「無遠慮に書いてしまうのは私しかいないであろうし、「ご意見番」との名を頂いた義務でもありましょう。それに既に 7年を経ていますから、皆さんも気付いておられるでしょう。
 先ず、日本語の表紙には「黒い左ハンドル」の DS 21 Pallas の写真が載っているのに、次の頁に英語の表紙を再度作り、ここには右ハンドルの DS 19 '60-62 :838 BFK を載せていることです。何も問題は無いではないか・・と申される方が多いでしょう。しかし、私にはそれなりの理由があるのです。この著者達がこの本に書き残そうと意図したことが明白であるからです。多くの読者にとっては「どちらでも良い」ことでしょうが、私には DS とは JAVEL 河岸で生産された左ハンドルの DS-HYDRAULICS です!それ以外の DS/ID は「大きな GS」でしか無いと申していますし、特に、 DS- HYDRAULICS という車を右ハンドルに「設計したり、改造したり」することが、如何に無用の努力=最悪の改造であるのかを主張しているのです。この表紙に示された事実は、以後の全てのページに現れています。
 登場する DS/ID のおおよその台数はフランス登録が 34台、英国その他が 30台とかなり DS/ID のバランスとしては偏っていますが、適切な車種、良好な状態の車を「知人」から撮影の了解をとった結果でしょうか?
 「陸路の女神」には、一層顕著に現れています。パリ・サロンの話ではなくて、ロンドン・ショウに如何に間に合わせたかの苦労話で始まるのは如何なものでしょうか?当然、「あとがき」に来るべき記事が「はじめに」来ているのです。 次のページの「 DS の誕生」が先に来るべきだと思うのです。それにしても、英国人、J.Reynolds は物書きで DS の油圧に関連する項目は、誰か他の技術関係者達が書いたものを、丸写ししたのでしょうが「それでも基本的な」間違いが起こってしまうものなのでしょうか?
 最初の 8 行目から可笑しな表現が始まります。"カチッ、シュー"と言う音・・とありますが、これは 37ページのプレッシャー・レギュレーターの説明文につながっています。「油圧が下がると”カチッ”と音がして、ポンプが”シュー”と唸りだす・・」とありますが、私の感覚からは「HP から LHM が押し込まれる音が”クッ、クッ、クッ”としていてから、一杯になると”カチン”と強いバネが働く音がすると聞こえるのですが!決して”シュー”とは聞こえませんがどうでしょうか?つまらない事を云うなよ!と怒られそうですが、全てこのような基本的な問題の積み重ねなのです!!!一つを「まあまあ」と言っていると、誤りはどんどん増幅していってしまうのです。
 1972年から何台もの DS21, 23 を乗り継いで多くの経験をしたと記載されていますが、ご自分では整備は殆どしていないのでしょう。よく書かれる話ですが、高速で走行中に前輪バーストで無事なのは、私も GOLF で 15年程前に経験していますが、北米基準に合格している車=現在は全て「直進する」のは当たり前なのです!事実、私は「気付かなかった」のです。中央分離帯からのタイヤのパタパタいう反射音で気が付いたのです!これは FF では特にバーストした車輪が多く回転して「直進性」を保ってしまうからです。
 Ken Smith と "Bureau d'Etudes"の人々が「この車の謎めいた部分」をきっと解き明かしてくれるだろう。と記載していますが、それでも「つまらない」間違いがかなりあります! ましてや、「たとえ同じモデルであっても、1台としてまったく同一の DS は存在しない」とは、少し大げさに過ぎはしないでしょうか?
 悪口ばかり書きましたので、少し褒めなければなりません。第一に写真が大きく、美しいことには驚かされますし、今残しておかなければ年々消滅していくのが定めでしょうから、良い時期でした。もう一つ、文章に無駄が無く、スペース( 写真の脇 )が実に有効に使用されており、実際のページから想像する以上に内容が豊富であることです。歴史的データも出来るだけ正確を期したようで、これ以上を望めないでしょう。( 細かく言えば、誰の説を採るかの問題ですが・・) また、ID という車に全く関心の無かった私に、内外装の「デザイン遊び」「色彩の組み合わせ」がとても楽しく、美しいことを教えてくれたことです。それが 50年遅れて日本にも少し現れていることで、文化の違いを改めて感じさせられたのです。
○メカニズムに関しては、諸所に誤り( 明確な)がありますので、次回から順次指摘して訂正します。
○Head-Lamp に関しては、避けて通っているようで、今回スペースを利用して指摘しておきます。既に、[ DS のHead-Lamp ] の項で記載していますが・・・
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◆2 灯式は皆対称型のように思はれますが、それでもレンズ・カットには写真のように少しずつ違いが見られます。( Marchal :右から古い順のようです)
*特に英国製(L)の DS のランプは小径に見えるのです!また、北米仕様(R)はルーカスのシールド・ビームに交換したと記載されています。
*この著者は何故かメイン・ランプに就いては全く触れようとしません!!
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▼猫眼は CIBIE(L), Marchal(R) 共に対称型ですが、'73~'75 年には右側通行型が付きます。私の DS 23 (CIBIE) がそうです。メインの直径:183mm, Unit : 190mm です。
**BROOKLANDS BOOKS が表紙に内容とは全く無関係の「アメリカ販売の DS」 を使っているのと、何か関係があるのでしょうか???
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by citroenDS | 2006-08-16 08:00 | Citroen 資料紹介


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