[ DS のCLUTCH-CONTROL は完成していたのか?]
photo: Andre Martinc0019483_15151111.jpg
◇解説
 私は以前より DS のクラッチ・コントロールは「未完成」で発売されたと言う「持論」を持っていました。あのように複雑な油圧コントロールが、設計段階で完結出来るとは「人間わざではない」と思うからです。やはり長い(結局は 10年間) のTRY & ERROR によって完成したのです!これに就いてはいずれ詳説します。
 DS 19: 1955 の油圧配管ダイアグラムが、とんでもない「にせもの」であることが判明してしまうと、これでは資料が無くなってしまうのです。カタログでは、この問題までは記載できませんから、もうどうにもなりません。でもあきらめてはいけません! 何か出てくるものなのです。
 Le DOUBLE CHEVRON; No2, [ edition speciale, NOUVEAUX MODELES/NEW MODEL ( 1965-秋)が救ってくれました! この本 1冊で 1) ギヤ・ボックスが syncromesh on 1st gear になったこと。 2) ID の HP がマルチになり DS のブレーキ・システムに近ずいたこと。 3) NEW エンジンになったこと。 4) LHM になったこと。 5) 最後に、 このわずか数行の文章に DS 19 の長いクラッチ・コントロールの「歴史」が書いてあったのです!

 On the DS models with the hydraulic gearbox, instant gear changing is made possible by means of a NEW CLUTCH RE-ENGAGEMENT CORRECTOR.. IN ADDITION A THROTTLE LIMITER ( A PISTON OPERATED BY PRESSURE IN THE CLUTCH CIRCUIT LIMITS THE THROTTLE OPENING ) PREVENTS THE OVER-REVING OF THE ENGINE BETWEEN GEARS.

 この文章ほど「大切な事実」を書いたものは、他には無いでしょう。 ここで問題になるのが、CG; シトロエンDS 特集は 1962 年 10月で「表紙の DS 19」はゴールド・メタに黒ルーフの、換気取り入れ口が両フェンダーにある'62年型であることです。しかし、30 周年記念号の「FROM INSIDE 」の文章ですと「小林氏は 1958 年頃の DS 19 の試乗」の感想を書かれていますし、殆ど同様の記事を書いておられる大川氏が「シトローエン」を発刊されたのは '72 年ですので、大川氏の印象はとても強いものであったのでしょう。それにしても、普通の MT との差は単にクラッチが「自動的に繋がってきてしまうだけ」の事で、早過ぎるのであれば遅くしてもらえば良かっただけの話でしかありません。
  '66 年以後の DS を乗っている私達でも、夏冬では温度によるキャブの調子でアイドリング回転は違うのですし、 LHM の粘度の差によりクラッチの繋がる早さは違うのですから、同じような経験は日常的なのです。日本のトップレベルの自動車ジャーナリストのお二人が、 1965 年以前の DS で全ての DS を論じられるので「いろいろな誤解」が続いてしまうのでしょう! 未完成の DS を試乗されたことに早くお気付きになって下さい。 もう 50 年がたったのですよ!
 それでは、1966年の "NEW MODEL" に追加された「装置」は何でしょうか?
 1) ここに記載されている、クラッチが繋がるまでは、その残圧によりキャブレターのプライマリー・シャフトの「回転を抑制する」レブりミッターが付いたことです。これとて 3,000rpm 以上回らなくする程度のもので( 吹き上がりの速度もやや遅くなる )、もともと古いトルク型のエンジンですから大した効果ではありません。 1速から 2速にシフトアップした時に、シフトレバーが "N" を通るので「やや時間がかかる」ので、エンジン回転と車速との不一致が起こり易く、 2速では未だエンジン・トルクが大きいので「ギクシャク」する時があることを「大げさ」に書いただけのことと思いますが・・・私は始めて運転される方には、アクセルは戻さないで良いと言って試乗させてあげていますが、こんなに「簡単とは思はなかった」と皆さんおっしゃいます。このクラッチ調整には二人のDSの先輩(JAVELさんとSさん)にお世話になっています。
 2) それ以外にはギヤ・ボックスに付いているクラッチ・ロックが初期の DS 19 には無いように見えます。これらの事は既に「クラッチ・コントロール」の項で 2 回にわたり記載していることです。重ねて書きますが Gear-Box の右前に 1-2 速のシャフトの先端の動きに連動してガバナーへ行く LHM をコントロールしている[ Clutch Lock ] が、ギヤ・チェンジが完了するまでクラッチ接続をさせないのです。ですから油圧コントロールの 1 速にはシンクロは不要だった筈なのです。 MT を含めて 1 速をシンクロにしたのであり、油圧式の「本来の DS=DX」 には二重のシンクロになったことになります!もしかすると[ CLUTCH LOCK ]は無かったのかも知れません! 取り付け形状から「後付け」の疑いがあります。1966 年以降の DS ではどんなに操作しても 1 速はギヤ鳴りはしませんよ!!
3) 最後にギヤ・セレクターの内部のシリンダーやピストン、スプリングに改良がされたと「資料」に記載されております。この資料の解説には多くの頁を要します!しかし、これこそが "DSの全て"でもあります=[ CONTROL OF CLUTCH & GEAR-CHANGE ] =私は何度でも書きます!!! 下図は[ CLUTCH LOCK (left) & RE-ENGAGEMENT CONTROL (right)]です。
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by citroenDS | 2006-07-01 15:08 | Citroen 資料紹介


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