◆ コメント
このタイトルを一般的に検討しますが、水冷エンジンの場合には、1930 年代の車を想像して頂ければ簡単に解ることですが、冷却水の循環には「ウオーター・ポンプ」は存在していません。エンジン本体から縦長のラジエーターへ45度位で「アッパー・ホース」が取り付けられています。このように、冷却水の循環は[ Thermo-Syphon ](温度の高い水は軽いので、自然に上昇して循環している)作用です。これはシトロエンでもDS以前の Traction Avant でも基本的には同様なのですから、当然ラジエーターは「縦長」です。これに比してDSではそのデザイン上の制約があります。開発の初期の空冷水平対向 6 気筒エンジンが成功すれば、もっとデザイン上もボンネットは低くなっていたと想像します。従って、整備書には"Circulation of the water is by THERMO-SYPHON action assiseted by a CENTRIFUGAL WATER PUMP" と書いてあります。自動車のフロント形状(デザイン)と「ラジエーター」及び「エンジンのウオーター・ジャケット」との位置関係を研究することも、大変興味あるテーマの筈です。 FORD GT40(プロトタイプGT)を観察したのですが、明らかにリヤー・エンジンとフロントにあるラジエーターとの位置関係は、平行ないしはラジエーターの方が低いように見えました。F−1を含めて現在の車も相互の位置関係は、あまり上下差は無いと思われます。この意味は「ウオーター・ポンプ」の能力が向上したものを装備しているからでしょうか・・・ このことは、建物でボイラー室が地下にあることとも関係しているのです。即ち、ボイラー室を一番下に置けば、温水は自然に上昇して循環してくれるからです。それでも、恐らくはボイラー室には循環用のポンプが装置されているでしょう。 ◆ 解説 話がどうして「廻りくどい」のか!と思われるでしょうが、暫く我慢して下さい。 DS23に戻りますと、ラジエーターを外すにはギヤ・ボックスの前下の廻し難い位置にある 14 mm ボルト2本を廻さねばなりません。このことは、ギヤ・ボックスの項で詳しく記載してありますし、ラジエーターがギヤ油圧配管等の修理の邪魔になります。さて、DS23では「写真」のように電動ファンが付属していますから、ウオーター・ポンプに取り付けられているファンは、モーターを内側に入れる為に砲弾型では無くなっています。 ラジエーターとシュラウドとの隙間が Fan Motor-stay の厚みによって (設計変更をしていない!)、かなり「広がって」いますので、ここからのエアの吸入を無くさねばなりませんから、隙間テープを良品と交換て、しかも不足分は「ゴム系充填接着剤」で補修します。内部の洗浄後に、黒い部分は耐熱性スプレーで、ステンレス部分もシールコートや銀色で塗装してあります。真鍮部分も磨きました。 ◎電動ファンは 5.5 A で、82-92 ℃でONになるサーモスタットが付いています。 ●ホース類の径は 45 mm と異例の太さで、国産車ではニッサン・アトラス3L用でした。普通乗用車では 30 mm 程度のものが使用されています。 ◆エアコン用のコンデンサーをこの前に装備しますと、オーバーヒートしますので、推薦されていません。( Mr.Ken も記載しています)従って、オリジナル方式かGS−X3方式でしょう。同時に、3ーGROOVEポンプの寿命は制限されます。 ★ DS ボディーに SM エンジンを載せた、SM-Prototype の写真を載せて置きます。明らかに、Radiator の位置はかなり低く設定されています。恐らく water-pomp の能力は SM では向上されているからでしょう。
by citroenDS
| 2005-08-15 00:28
| DS の整備と解説
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