<   2006年 09月 ( 8 )   > この月の画像一覧
[ ミニチュアカーの紹介(18) PLASTIC NOREV.Traction Avant 15-SIX]
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◇コメント
 Traction Avant 15 Six H の記事を書いたので、ミニカーの方もそれに合わせたかった訳です。そこで 15 Six はと見てみると "Solido" があるのですが、これは「戦前型」で、「トランク」が後部にありません。意外に 15 Six モデルは少ないのです。調べたところでは、ここに紹介したプラスティック・ノレブしかないようです。ところが 15 Six H はノルマルだけで、しかも色は黒色となっていますが、[ Norev ;Familiale: Grey ]で我慢して頂きたいのです。
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◆解説
 このモデルは日本に輸入されたかどうか不詳です。ノレブというと「多少安物」の感がありますが、この時期のものは特別に違っているようです。そこで裏板を紹介します。 CITROEN 15 SIX FAMI, Les MINIATULES de NOREV と刻まれています。 11CV とは違った貫禄があります。私の保有するミニカーの内でも「好きなモデル」の一つです。
 Traction Avant は戦時中は全て黒色ですが、戦前戦後はブルーとグレイがあります。このモデルも黒色が多いようです。資料によりますと No.15 ですが、刻印等はありません。写真のようにウインドウガラスもシートなどもありません。白色タイヤに赤色ホイールでなかなかキレイです。この型で再製作すればと思います。
*参考:世界のミニカー:Ⅰ、Ⅱ、中島 登著。
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by citroenDS | 2006-09-25 00:28 | DS minicar 紹介
[ TRACTION AVANT 15 six H の油圧回路 ]
[ Traction Avant 15 six "H" の後輪:Hydro-Pneumatic-Suspension から、最初期 DS 19 を考える ]


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[ Traction Avant 15 Six "H"]
◆コメント

 最初期の DS を知るには Traction Avant 15 Six "H"を知ることは必須だろう。今回は BROOKLANDS BOOKS より The Motor: Road Test No.7/55 (March 23,1955) ; Six ( Hydro-pneumatic Suspension ) の記述を紹介します。当然、この本"CITROEN Traction Avant 1934-1957 の P-97~100 の最終項目ですが、この記者はもしかすると J.Reynolds 氏よりも優秀かも知れません。 Hydro-Pneumatic-Suspension も特段のシステムではないと「冷静」ですし、Impression も特別の評価をしていません。当時の状況はそのような段階であったのでしょう。まあ、何時の時代でも解かる人は解かっているもののようです!
 要点をまとめると「サスペンションにエアーを用いるというアイデアは決して新しいものでは無く、その歴史と同じ位古いものです。従って、近年の関心事は如何に作動室内の高圧のエアーを改良された天然ゴム或いは人工ゴムのバックに保持出来るか、とその作動室を潤滑出来るかにあったのです。同時にシトロエンが後輪のスプリングに採用した油圧式ダンパーは、この物語のほんの始まりでしかありません。15 Six H のダンパー・ユニットは[ 2-Way-Valve の ピストンタイプ]で後輪がトレーリング・アームをスイングさせるとダンパーのピストンがサスペンション・シリンダーの中を[ 出たり、入ったり]動くものです。」と記載されています。  ↓構造図を参照。
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 最もドラマティックなことは、エンジンをかけると 7-Piston ポンプが[ Brake Fluid ]をアキュムレーターに送り、サスペンション・システムを加圧して、エンジンが始動して数分後、車の後部があらかじめ[ designed-position ]にまで上昇するのです。もしも車の後部が外力によって下げられた場合には、スプリングによってだけでなく、オイル・サーボの効果によっても元の位置に戻されます。
 「しかしながら、この新サスペンションの違いはよほどの悪い道に持っていかない限り、差を認めるほどではなく、この車のセールスポイントとなるには英国の道路は良すぎると言うべきであろう。」とあまり評価は高くないのですが、この種の本としてはかなり「冷静且つ正確」に Hydro-Pneumatic-Suspension を説明しています。このことより、記載されているサスペンション・シリンダーやその内部のダンパー形状も信頼出来ると考えられます。このレベルのダンパーでは硬くて差は出なかったのでしょう。最も作動油がブレーキ液と書いてありますので、粘度が低いことも確かなことです。このレポートが 1955 年 3月ですから DS19 と同じと考えられますが・・・その意味でもこの記事は重要です!
 特に、Maintenance の項を読みますと、幾つか重要な記載があります。作動油には当然ブレーキ・フリュード(液)が使われています。 CH 12 とか LHS- 2 と言っても Lockheed のブレーキ液とそれ程違った、特別の製品では無いようです。これは LHM がシトロエンのブレーキ液として使用されているのですから、当たり前のことです!私は特に LHM が 2CV にも使われていることを指しています。
 もう一つ、バッテリーが Traction Avant では 1940年代から 12V であったことです。15 SIX H でも 12V 57A となっているのに、DS 19 では 12V になったのが 1959年からなのはどうしてなのでしょう?そのことを"ORIGINAL 本"では「ゴチャゴチャ」と書いてありますが・・・変な話ではないのでしょうか?


▲解説
 回路図は Quai de Javel, Quai de Andre Citroen からですが、エンジンの写真は前項に既に掲載してありますので参照して下さい。Traction Avant のリヤー・サスペンションは後輪と車軸は固定されていますが、車軸を中心としてトレーリング・アームは独立に動くので、半独立懸架とされていますので、ここに掲載した図のハイトコレクターの位置と作動方法が問題です。 DS のようにトーションバーからの長いロッドによりハイトコレクターが動かされるのと違って、Traction Avant ではトレーリング・アームの軸から少し離れた場所にある、9 アンチロールバー中央部にあったようですから、少し近過ぎたように思はれます。最初期 DS 19 のハイトコレクターの記載からすると「良好に車高のコントロール」ができたとは想像出来ません。このように近い位置では DS 19 に付いて "ORIGINAL 本"に記載されているように,初期のハイトコレクターは車高補正機能が余計に働いて、いったん上がりすぎたり下がりすぎてから、それをまた補正するような傾向があった。( 1962年 5月まで!) 41頁。・・ようですから、まだ完成されてはいなかったと言うべきでしょう。
 私は拙著の中では、ハイトコレクターの位置決めをいじると「泥沼になる」と記載しています。その位にハイトコレクターとは「あいまいな装置」なのです。アンチロールバーから長いロッドで「適当に」スライドバルブが動かされているのですから・・・良くも位置が決まるものだと感心するのが整備を自分でやったことのある人の感想でしょう!
○ダンパーバルブ:この記載も"ORIGINAL 本"では 39頁に「・・・フレキシブルなディスクを何枚か重ね、それを中央部でネジ留めしたものである。・・・また、バルブ中央の穴ではどちらの方向にも制限なく自由にオイルが流れ、・・・」と矛盾したことを書いています。 これは、ダンパー・ディスクに初期には自由にオイルが出入りできる穴は無かったのであり、後に ( 1963 年以降 )ディスクの周辺部に開けられたことを共に誤って記載したものです!これらの二つを区別出来ずに記載しているようです。


◎ダンパー・ディスクの種類と形状に就いては既に( 2005-04)に紹介してありますが、今回はまた別の資料より紹介しておきます。"HOW CITROEN": J-P CHASSIN :1977 からです。By-Pass-Hole の有無の部分のみにします。センター・ホールは Welded-Type での事です!

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▲CG: "ORIGINAL 本では、難しい?話になると直ぐに「オリフィスなどを設けて」と書いて、ごまかしているのが目立つようです!ハイトコレクターには、ちゃんと[ ダッシュポット]と用語がある筈なのですから、正確に使うべきだと考えます。

▼Traction Avant 15 Six H の生産台数は TOUTES les CITROEN によれば、1954年型:1,680 台、1955年型:1,382 台と意外に多いのです。価格も 940,000F と DS19 の同時期の 930,000F よりも高価格です。 
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by citroenDS | 2006-09-21 23:37 | Citroen 資料紹介
[ ID 19 の single- H.P. のあった場所 ]
[ このBLOG の Top Page に記載しています Jerome のBLOG から写真を借りました] His Blog's photos are very nice.I like them.

 ← Engine-number-plate は Engine-block の左側で写真の通りです ↓
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◆コメント
 CG:ORIGINAL DS 本には、シングル高圧ポンプの写真も載せていませんので、Site:ID 19 Pより下の写真を拝借いたしました。恐らく、カムシャフトの前側の穴を塞いでいたのでしょう。彼の ID 19 は 1966 年と書いてありますし、写真でも DE エンジンのプレートがあります。しかし彼の ID はパワーステアリング付きですから、7-PISTON の高圧ポンプを装備していますから使わずに塞いであったので、後ろの方は燃料ポンプ用です。
 下に別の写真を載せました。シングル・ポンプを塞いだ場所やメイン・アキウムレーターの位置が現在と同じであることが解かります。
 こんな写真の 1 枚でも欲しいのです!そんなことは「重要では無い」との編集方針でしょう。「メカニカルな重要ポイント」が、CG 的には解からないのです!小さくても見たい「メカ写真」が沢山あるのです。その事に気が付いてくれれば、間違った説明も無くなるでしょうし、説明すらいらなくなるでしょう。写真の持つ力を知っているのに「メカ」を軽く見るのが直らないのだから困ったものだ!こんな希望を持っているのは私だけなのでしょうか?DS/ID をスタイルだけでしか理解しないのは、半分以下しか理解したことにならないとは考えませんでしょうか?
■解説
  Site の名前にしている ID 19 P ですが、この"P"はパリ工場製のことのようですが、フランスの Site では皆 "P" を付けていますが、このエンジン"DE 型は ID 19A 用と書いてあります。このあたりの違いは何故でしょう? 1966~1967 年式までの生産で、ディストリビューターはエンジン・ブロック後部に装着とあります。
 さて、パワーステアリングでないと、ギヤ比は DSの 1:15 に対して 1:20 で、ステアリング・ホイールも直径を 40cm から 42.5cm に拡大していると記載されています。この 80 頁の記載によると、DS 19 のパワー・ステアリングが、ID モデルにもオプションとなったのは 1962 年 10 月である。・・・ID モデルでは常にオプションであったが、大部分の個人ユーザーがこれを必需品とみなし、後年は装備しない車の方が少なくなった。と記載されています。この事実は 1956 年に ID が登場した時の理由と矛盾すると思いますが如何でしょうか?兎に角、ハイドロ・ニューマティック・サスだけで充分で、ブレーキもステアリングも皆 Traction Avant と同じでよかった・・・DS 19 では高価で油圧の信頼性も受け入れられにくかったという趣旨が記載してあった様な気がしますが・・・下の写真(左) ID19, 写真(右)DS19の運転席側。ここに OPTION で貼り付けるとのことですが。日本的には「不思議な話」ですね・・・いくらするOPTION だったんでしょうか?私はステアリング径が大きいので「じゃま」との意味かなと考えたのですが、私達 DS オウナーからすれば違いそうですし、Pallas では違うことや、後年にはこのようなことは無いので理解に苦しみます。
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▲運転席にアーム・レストが無いことの理由が値段のみで運転席のみアーム・レスト無しとは「かわいそう」な話で、アーム・レストの形だけとはどう考えたら良いのでしょうか?このあたりの説明が一切無いのは「不親切」でしょう。他のドアーにも無いのなら分かるのですが。
*写真を引用させてもらいましたが、色調整とカットを変えてありますので宜しく!
▼サスペンション用だけであるから、シングルシリンダー・ポンプで充分であったとの記載ですが、Traction Avant 15 six H の回路図やエンジン写真などを見ると、マルチシリンダー・ポンプになっています。後輪だけなのですがね・・・冷却ファンも DS に近いものが付いていますね!デビュー時の DS 19 の真実を知るには、15 six H を知る必要があります!
* メイン・アキュムレーターの形も旧型で同じです!! ID19 engine with Main-Accumurator ↓ Traction Avant 15 six H engine with hydraulics →
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from: Quai de Javel, Quai de Andre Citroen, e.p.a.
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by citroenDS | 2006-09-15 23:50 | Citroen 資料紹介
[ミニチュアカーの紹介(17)MetOsul:DS19-Taxi &Police]
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◇コメント
 気分転換にミニチュアカーに戻りました。メトスルはポルトガル製の CORGI と云われています。それは写真(下)を見れば明らかでしょう。プラスティック製のヘッドライトが大き過ぎて、雰囲気を壊しています。 多分、タクシーとポリス( GENDARMERIE ? )はCORGI に無いモデルでしょう。CORGI が少し「こぶり」なので 1/45 scale でしょう。
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▲解説
 MetOsul のDS 19です。コメントにも書きましたように CORGI のポルトガル版です。塗装は CORGI よりも厚くキレイですが、薄くて綺麗であって欲しいものです。その他の違いは、インジケーター、ドアハンドルなどにも「筆が入って」います。
 裏板の写真を並べましたが、向かって右上のCORGI ( メタリック・グリーン)が内部にシート等何も無い一番古い型です。右下が CORGI-モンテカルロラリーで一番後の筈ですが、後輪部分の切り込みが埋められています。左下が MetOsul と「同じ型」ですが内部にはステアリングとシート等があります。CORGI-DS19 Berline にはこれらの 3 種類があると思われます。
 この裏板を見る限り、CORGI の型を使ってMetOsul は製作したことになります。不思議なことに? CORGI (英国)なのに左ハンドルであることです。SAFARI を含めて全て左ハンドルです!しかし尾灯はルーカスの円形 2 灯になっています。
 ◎裏板まで持ち出すと、ミニチュアカーのブログと間違われそうですね・・・近いうちに、再発売された DS 19 Berline を紹介しましょう。
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by citroenDS | 2006-09-15 21:35 | DS minicar 紹介
[ LHM は潤滑か循環か?]
[ 高圧油圧回路のクリアランスは潤滑のためか?循環させているのか?] 
◆はじめに
 KISAKI 氏の COMMENTS :サスペンション・シリンダーからの LHM はダストブーツに「かなりの量」が漏れ溜まってをり、半透明のリターン配管( RILSAN )からも内部を LHM が戻るのが見えるではないか!です。これらの問題は当然、「理論と実際」があることを前提にしなければなりません。「理論」を無視して「現実のみを優先」すれば、過去に犯した誤りを繰り返すだけで進歩はありませんし、時間の無駄でしかありません。
 ここで個人的に思い出すことがあります。思えば既に 20 年が経っていますが、当時( ハイドロニューマチックの 30 周年の頃 ) CG では田辺憲一氏が BX の TEST REPORT を書いておられた時でした。サスペンションに当たりが付いてきたので、抵抗感が全く無くなって最高の乗り味になって来た・・と言った主旨の記事を書かれて、LHM は「循環して」リザーバーにもどるとの説明も記載されたと思います。何分にも時が 20 年もたっており、CG誌も重要なもの以外は処分していますので正確には確認できません。主旨は間違いの無いことです。これに対して、私はサスペンション・シリンダーとピストンとの間には LHM の「潤滑」のために 1~3 μの精度で作製されているのであり、「循環する」ようには設計されたのではないこと、やむなく漏れたものがリザーバー・タンクに戻るのは「結果」でしかないと申し入れたものです!また、車体がリヤーから下がると記載されたので、車重の重い前から下がるのが当然であるとも注意申し上げたところ、サスペンション球の圧測定をして「交換しなくてもよい」交換をして余計な出費をした、とも書かれたことも思い出しています。それでいて、カーグラ TV には「彼と対談」をし ( 私の自宅で撮影した) のですから、個人的には「どうも思っていない」関係でした。それで良いと思っていますが、私の方にも間違い?と言えることがあります。
 BX ではサスペンション・シリンダーの構造が前後で異なっており、前のストラット型のほうが漏れにくいようでした。このように、理論と現実とは「不一致」な部分があるのは当然ですが、理論を無視しては議論にはなりません。シトロエンの場合にはこれが多過ぎたのです!というよりも、理論が「難しくて・・」現実の感覚が優先されて「不思議」が多すぎました。この点を「反省する」ことが私の主張です!「理論の優先」がシトロエンには必要なのです。それで「丁度良いレベル」になると考えています。私の BLOG を見てくださる方は良く解かって下さっていると思います。
 (1) サスペンションが一番油圧が高いこと=何と言っても車重を支えるのが一番だから LHM の漏れも最大の筈です。
 (2) 車高が下がることが現実的に見えますし必ず起こること。 従って漏れる油量と速度が計算できることです。
 (3) 車高が下がる時間の統計を以前クラブで取ったことがあるのです!GS,CX,BX でしたが、前輪が 1 時間前後、後輪が数時間から1日でした。恐らく、メーター 1回り以上の DS/ID ではWIKIPEDIA ではありませんが、数秒???~数時間でしょう。私がこの秒を分に訂正したのです。

↓左右変換してあります(左図)'67年以前のRubber-seal 型   (右図) 後期のシリンダー・シール改良型 ('67-4 以降 Tefron-seal )↓
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 ○実際にはサスペンション・シリンダーとピストンとは上図のように、これらの間の精度である以外に下端のシーリングにも頼った構造であるのです。(2005-03 サスペンション形式:ダストブーツの交換を参照)

■解説
 ▲[ Suspension Cyrinder に付いて]
 サスペンション・シリンダーには 2種類があること。1967年以前のタイプはラバー・タイプでシールが入る部分の形状が直角では無く、斜めに削られたいるので新しいタイプのテフロン・シールを使えないので、シリンダー交換を要します。1967年 4月以降の DS/ID, SMでは掲載した右図のようなタイプになった。DON'T LET INTERNAL LEAKAGE OF SUSPENSION CYLINDERS GET YOUR CAR DOWN !  A MAJOR CAUSE OF RAPIDLY SINKING SUSPENSION. "PISTONS ARE TAPERED, SO NO CONE NEEDED.と書いてありますので、最初のハイトコレクター・スライドバルブが移動するまでの時間は、シリンダー・シール側からの LHM 漏れでしょう。それと [PISTONS ARE TAPERED]と書いてあることが気になります。( J.B.M.の資料より) 後側は寝ていますので、ご説のように「焼き付かない」ように設計されているかも知れません。また、シリンダーとピストンの材質の違いから来る「膨張率の違い」も気になります。いままでにも後輪ピストンが原因不明で「固着」した例を 3例知っています。
 ▲[加圧回路( feed pipe)がリターン回路になる!]
  これが一番重要なのですが、サスペンション・シリンダーの LHM は全てダストブーツを通ってリターンするのでしょうか?良く実際の現象を考えてみましょう。少し車高が下がってきた時、車高修正をするようにハイトコレクターにトーションバーから動きが伝わります。それはハイトコレクターのスライドバルブを加圧するように開きます。しかしながら、メイン・アキュムレーターの残圧ではサスペンション・シリンダーを加圧修正することは出来ません。それではこの回路はどうなるでしょうか?実は加圧する代わりに逆に「リターン回路」になってしまうのです!
 そこで SM のリターン回路図を載せました。 この場合に両者の間には[ PRIORITY VALVE ]があります。このバルブは約 80bar で前後のサスペンションへの加圧回路は閉じられて、ブレーキ回路のみが残されます。従って、それぞれのサスペンションの荷重によって必要であった油圧があったのですから、その時のシリンダー( スフェア)油圧を 150barとすれば 150 -80= 60bar 分が「加圧回路」からリザーバーに逆流し、これから後はストッパーでそれ以上は下がらないことになるでしょう。
 この説明から出る結論は「最初のハイトコレクターが開くまで」のみが「リターン回路」から戻る訳ですから、その量は「あまり多く無い」ことになります。
 閉鎖回路であるブレーキ系から回収するのは「別の意図」があるのでしょう。万一バルブが壊れたときに回収したいとか・・
 他の多くの小型スライド・バルブは本当に 1~3 μの精度を維持できますから、漏れは少量ですから rilsan-pipe を束ねてゴム管でリザーバーに回収し一部は大気に解放しています。
▲[ LHM の粘度の関係]
 これも北米の資料ですが、北米では LHMが入手し難いようで航空機用の作動油を代用する話がありましたが、少し粘度が高いようで「乗り心地」が硬くなるのですが、古いオイル漏れの多い DSには「オイル漏れ対策」になるとの記事を読んだことがあります。
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 ◎多分初期 DS 19 ではこのシリンダー下端のシールは無かったでしょう。作動油の漏れが多いので改良したのでしょう。このような想像が可能な状態であったことを、ORIGINAL 本は教えてくれました!
このように考えますと、初期 DS 19 ではサスペンション系の精度は実は相当低かったと想像されますから、エンジンをかけると車高が上がり、エンジンを止めると直ぐに下がってしまったのではと想像できます。それが後年までシトロエンのことを書くときには必ず「動物のような動き」と書き続けられるのでしょう。


 CG ORIGINAL CITROEN DS には、そのような「誤解を無くす」使命もあるのではないのでしょうか!
 
 
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by citroenDS | 2006-09-09 22:27 | Citroen 資料紹介
[ CG/Original CITROEN DS の誤り:そのⅣ]
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注:左右反転しています↓
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[ プレッシャーレギュレーター/メインアキュムレーターの位置説明がダメだ!]
◇コメント
 この部分は DS, ID 共に共通であるので、DS ベルリンを記載した 37 頁にのみ記載されています。この位置に付いての記載は「日本語になっていない」と思います。原文のまま掲載しましょう。"このプレッシャーレギュレーター/アキュムレーターユニットは、当初ラジエーター左側のフロントクロスメンバーに位置していたが、1960 年 9月にエンジンブロックの左側部へと移った。インジェクション仕様車ではギヤボックスの右側部に付いた。マニュアルギヤボックス車では、1970 年 7月にクランクケースの位置に戻った。" と記載してあるのですが、この文章を読んで書いてある「意味が解かる」方がどの位いらっしゃるでしょうか?
■解説
 この文章を理解する為に、自動車用語を調べておいた方が良かろうと思いました。
1) フロントクロスメンバー:上の写真と略図を参考にして下さい。クロス・メンバーとは、エンジン・ルームのフレームを形成している両側面( ドライブ・シャフトが貫通している )を「サイド・メンバー」と呼びますが、これは DS のボディーを形成している「梯子型フレーム」からフェンダー分だけ狭くなって「ソリ」のように前方に出ています。このサイド・メンバーを 2 本の横に補強部材がありますが、一番前の「ブレーキ・アキュウムレーター」前方付近にあるものが「フロント・クロスメンバー」に当たります。より強力なクロス・メンバーはエンジンとトランスミッションとの間にあり、「後のエンジン・マウント」が固定されています。写真では「左端が後側のクロスメンバー、右端がフロント・クロスメンバーです。
2) エンジンブロック:DS では緑色に塗られている鋳鉄製の部分。エンジンの骨格となる部分でウオーター・ジャケットがある。
3) クランク・ケース:シリンダー・ブロックより下方で、クランクシャフトを取り囲むように設けられた壁面部分。シリンダー・ブロックと一体に形成されたものと、別体に独立したものとがあり、下部にオイルパンが取り付けられます。
    ↓この位置に大部分の DS/ID では取り付けられている (クランクケースの前端部)   こちら側が左側だ!
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 さて、初期の DS/ID ではフロントクロスメンバーに取り付けられていたことになりますが、この下には同時期にはメイン・マフラーがあった筈です!1960 年 9月にエンジンブロック左側部へと移ったとありますから、例のフェンダーに換気用グリルが新設された時期でもあります。
 フロントクロスメンバーに設置されていますと、エンジンの振動とは別の動きになりますので、太い配管をどのように処理したのでしょうか?後輪のブレーキ配管では「関節付き」の配管を使用していましたが、油圧レベルが 3倍程高いのでどうなっていたのでしょうか? ループを造って処理する以外には考えられませんが・・・この場所に敢えて設置した理由が不明です。
 また、"マニュアルギヤボックス車では、1970 年 7 月にクランクケースの位置に戻った。"と記載してありますが、「どこから」戻ったのでしょうか?
 インジェクション仕様車ではギヤボックスの右側部と記載されていますが、左側の誤りです。
 エンジンブロックとクランクケースとは、違う場所を指しているのでしょうか?このように「誤り」「意味不明」「説明不足」を今迄通りに放置しておくのでしょうか?

◎私の知っている範囲で説明しますと、1969年 9月に DS 21 IE が出来てオイル・クーラーがメイン・アキュウムレーターのあった所に設置されたので、追い出されたメイン・アキュムレーターがギヤボックスの左前に移動したのです。従って、良く解釈すれば DS 21 M IE (MT) だけが、どのような理由か知りませんがエンジンブロック=クランクケース (他の DS と同じ場所) に戻ったのでしょう。それも 1年経たずにです。DS 23 IE も 21 IE と同様にギヤボックス左にあったと思うのですが、如何でしょうか。CG/ORIGINAL本:写真のボルグワーナーAT でもギヤボックスの所にありますから多分同じでしょう。せめて、この位の説明はして欲しいものです。オイルクーラーを設置したということは、ラジエーターの拡大が限界に来たことを示しているのでしょう。これはラジエーター・ファン・シュラウドの長さが半分位に短くなってきたことからも想像できます。冷却系の説明に「オイルクーラー」が出て来ないのは説明不足でしょう!この分野は私はあまり得意ではありませんので、万一違ったらゴメンナサイ! c0019483_19555464.jpg
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▲通常のメインアキュムレーターの位置は、後のクロスメンバーの直上で交換作業がとても困難です。私はインジェクション・モデルと同じ位置に( ギヤボックスの左先端部)移動しています。とても交換、点検が容易になります。この位置が BEST です。( 2005-01:参照 )
 [写真左]のように全てのギヤボックスには 11mm ボルト用のネジがきってあります。インジェクション・モデルに出来たことが何故他の DS/ID には行はれなかったのでしょう?

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from : Le DOUBLE CHEVRON; No.18, 1969, Autumne ↑DS 21 IE .   Electronic calculator(1), Oil cooler(15)
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by citroenDS | 2006-09-09 20:34 | Citroen 資料紹介
[ 初期 DS/ ID のマフラー位置 とラジエーターの効果? ]
食用蛙とフランスでも書いてあった ↓
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×印は 4 隅のジャッキをかける場所↓(2005-01)
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↓RADIATOR と DUCT が離れている!設計者は何を考えていたのだろう
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[ DS/ID の排気系とラジエーターとの位置関係 ]
◇コメント
 DS/ID 19 の'56~'63年までの冷却系は普通に考えれば「冷却系」ではなくて「保温系」かと思はせるものです。まず、排気マニホールドからの配管は後方ではなく前方に向かい、ラジエーターの右側でサブラジエーターに接続して前下方に向かい、半円形のバンパー内部、すなわちギヤ・ボックスの直前にあるメイン・マフラーにつながるのです。
 これらを示したのが上の 2 枚の写真であり、私たちの常識的な考えからは「予想も出来ない」ものでしょう。恐らく、この下から「ギヤ・オイルを温める」構成になっているのは、北欧でエンジンを掛ける前に電熱器で温めると云うのと同じことに通じるものでしょう。要するに、オーバーヒートを防ぐよりも、オーバー・クールを防止する目的なのでしょう。
 このことは、冷却気を取り込むと同時に「取り入れ口」を塞ぐフラップがあったり、この後のビニール製ダクトにジッパーがあって、冷え過ぎの時には開けるように設計してあることからも予想できることではあります。それにしても、この構成が何故に '56 ~'63年まで続いたのか? また、それ以後は「何故一般的な構成に変わった」のかを説明する写真の 1枚も示したからといって不都合はなかろうと思うのですが・・・
 実は、このことと「フェンダーに換気用のグリル」が、 '60,'61,'62 年だけ造られたことを「どう理解するか」です。それ故に以前に、この年式だけの「不思議」を記載した訳でした。何で、こんな「目立った」場所を改装した( 見方によっては最大のモデルチェンジだ!)後に CABRIOLET-USINE の製作がはじまったのだろうか?と記載したのです。( 2006-06 )
 益してや、ラジエーターに冷却気を導入するダクトが「完全密閉型」に接続されていないので、エンジン・ルームの中で冷却気が循環してしまい「効果が低い」ことなどは、われわれ素人でも知っていて「やらないこと」なのです!
 実際、'60 年に「換気用グリル」をつけた際にもビニール製ダクトは無く、冷却気の「悪循環」は残されたままですから、一層理解不能です。この問題がわれわれが見ても「正常な形状」である現在と同一になったのは、'63 年のことです!( 現在のようにマフラーは前席床下に移動した。)
 この事実を、CG "ORIGINAL"本では、「しかしこのラジエーターレイアウトはオーバーヒートを招きやすかったため、1959 年 9月、左右フロントフェンダーの上面に排気グリル( ポリッシュ仕上げアルミ製 )を装着して、ボンネット内の通気を向上させた。・・・等と長い説明がありますが、何で最初から・・と言いたくなるものですが、さらに実車の欄外にはエンジン冷却水よりも油圧システム用オイルの過熱が問題だった。と書かれています!それが真実であるのならば、何故リザーバー・タンクを移動しなかったのでしょうか?相変わらず「ラジエーターの真横」にある不思議をもっと納得させて欲しいものです。 メインアキウムレーターもラジエーターの近くのクロスメンバー ( ブレーキ・アキウムレーターのそば?) にあったと書いてあります。 
 TOUTES LES CITROEN には、この問題を以下のように記載してあります。 De l'avant,la DS 19 1960 est reconnaissable a ses curieuses grilles d'aeration sur les ailes. 和訳すれば「1960 年 DS 19 には、奇妙な換気用のグリルが前ウイングに認められる」ですが、本来シトロエン車にはエンジン・ルームの「換気性」など考えられたことなど無いのですから、「換気用」とは車内のことであると思うので、 1963 年からはこの「換気口」がヘッドライトの下に新設されたのですから、こう思うのが自然でしょう。現在、Mr.Jerome BECE に質問しているところですので、明確になったらご報告いたします。
▲言い訳ではなく、ブレーキ・アキウムレータを前後に独立に設置してみたり、ハイトコレクターの後にしたり、前にしてみたり、 DS 初期の技術的な稚拙さには「ガッカリさせられる」事が多かったのは予想外でした。そのあたりを実物の写真で示して欲しかったと思います。→CG:ORIGINAL CITROEN DS に期待したい事なのです!!!
◇ハイドロニュウマティック、ハイドロウリック・コントロール等の優れた、独創的な技術に対して、水平対向 6気筒エンジンの開発に失敗したりと、「アンバランス」さ、「ひ弱さ」をフランスの技術は持っているように感じます。
写真はいずれも IDeal DS CLUB 会報:No22,23 より
 
 
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by citroenDS | 2006-09-03 23:59 | Citroen 資料紹介
[ミニチュアカーの紹介(16);RIO:DS19 for General de GAULLE]
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◇コメント
 大分「頭の痛くなる」ような話を続けましたので、気晴らしにミニチュアカーに戻りましたが、本当は「関係がある」のです。この項では "ORIGINAL" の記事が参考になったと云うことです。
 ド・ゴール将軍( とマダム )の使用していた DS 19 は"Prestige"では無いことが資料で分るのです。 OAS の襲撃を受けた時( 1961-9-9 )の DS も '60年型の普通のものです。右 C ピラーを見事に撃ち抜かれています。従って、このモデルも「正解」です。ルーフは英国の WEBASTO と同じカンバス・トップでしょうか?下の写真では、たたんだカンバスは見えませんが・・
■解説
 RIO,made in Italy です。 箱には No.114, General de Gaulle 1962. と書いてありますが、この年式には前フェンダーに「換気用グリル」がありますので、実は裏板に書いてある No.97, DS 19,1956 が正解になります。でもまあ、良くも後の本 "LES VOITURES DES GRANDS" (balland) と同じように作ったものです。それで許しましょう。但し、国旗の取り付け場所が違います。表紙の DS では前バンパーのナンバープレートに近い左側にあります。 RIO も NOREV が原型でしょう。銀色のプラスティックの多用もどうでしょうか?このモデルでは特に、B, C ピラーも黒色ですから「使は無い」ほうがよかったのでは・・?内装はグレイですが、 Pallas 仕様と比較するとかなり「質は低下」しています。↓( 写真下:参照 )
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 左の写真が Les Voitures des Grands からですが、この本の写真が悪くてド・ゴール将軍が DS 19, 1956 から出ようとしている姿がキレイにでていません。この本に出ているだけでも、ド・ゴール夫妻は 3台以上の DS 19 を使用していますが、1台も Prestige はありません。
 右の写真は、フランスの IDeale DS クラブ誌からで、Berline DS 19 uniformement Noire-1957 となっています。こちらは、国旗がミニチュアカーと同じ位置に立っていますが、こちらも Prestige 仕様ではありません。 B,C ピラーを含めて「全て黒色塗り」ですしシートも布張りです。

 TOUTES les CITROEN によると、Prestige 仕様は 1958年の Salon で発表された特別仕様で Chapron で注文生産されたと記載されていますが、価格は 1961年: Berline ;12,820F. Prestige ;15,550F. Cabriolet ;22,040F とありますので、Option で「ピンからキリまで」の内の ID ベースの低価格表示でしょう。"ORIGINAL"によると 180台しか売れなかったそうです。恐らく、フル装備では「高価過ぎた」のでしょう。
▲ドゴールの DS Presidentielle, 1 PR 75 ( ミニカー: 2005-11 参照 )で有名な専用車が'68年に造られるまでは、 5 PR 75;のシムカ・シャンボールと T.A 15H で造られた 2 PR 75 がありました( いずれも OPEN )から、不足を感じていた訳ではなかったでしょう。
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by citroenDS | 2006-09-03 21:30 | DS minicar 紹介