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[DSの油圧システム:Q&A](1)ギヤとクラッチ
□コメント
 DSの油圧システムを詳細に解説したつもりでいましたが、記載内容が偏っていたように感じていましたので、少しの間、カタログ紹介やミニチュアカーに方向を変えて見たのです。しかし、現実には私が考えていたよりも「充分には理解されていなかった」ように感じられることがありました。
 そこで、写真もより一層具体的に配列して、より易しい「Q&A形式」を考えてみました。
 この項目は、既に「修理解説」で述べていますので、その項目を参照出来るように付記ておきましょう。当然のことですが、主な問題点は(1)ギヤチェンジと(2)クラッチの作動になるでしょう。これらに関連して(3)遠心ガバナーや(4)キャブレターにも触れなければならないでしょう。
*先ずは、[ギヤ・ボックス]に就いての[Q&A]から始めましょう。

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◎Q-1:[油圧が無くなると、ギヤ位置はどうなるのでしょうか?]
■A-1:解説
 これはエンジンを止めてから時間が経ってからの場合や、ギヤ・セレクターでニュートラル(N)が選択されている時があります。いずれにしても、ギヤ・シリンダー(写真右下は後退用を分解したもので、単独に上蓋にあります)の油圧が無くなり、シリンダーを満たしていたLHMが抜けてしまった場合です。
 写真左上のギヤ・ボックスはMT式も油圧式も基本的には同一で、1、2速用、3、4速用と後退用の各スピンドルから3本のドライブ・ピンが突出しています。これを蓋に装備された1、2、3、4速用のスプリングとその内側の油圧シリンダーの4組、後退用は油圧シリンダーのみが、噛み合っているのです。従って、油圧が無くなれば強力なスプリングの力でニュートラル(N)に押し戻されるのです。後退用のスピンドルの前外側には、バックアップ用ライトのスイッチが見えます。
 この項は[4速ギヤ・ボックスの輸入](2005-02)で記載していますが、蓋が配管の関係で90°反時計回りになっていますので理解し難いようです。
 左下の写真は[クラッチ・ロック]で、ギヤ・ボックスの前右に1、2速のスピンドルと連動するように取り付けられます。油圧回路の遠心ガバナーの前にある2段のスライド・ヴァルブですので、1、2速にギヤが入ってからクラッチをつなぐ安全装置と考えられます。[クラッチ・コントロール]の項(2005-02)に記載してあります。

◎Q-2:[坂道等で、ギヤ・パーキングが出来ますか?]
■A-2:解説
 油圧が無くなりますと、ギヤはニュートラル(N)に戻ってしまいますので(クラッチは接続しますが・・)油圧式では出来ません。
 メインアキウムレータの蓄油量が多ければ、手動でクラッチ・シリンダーからLHMを抜いて、クラッチを接続できますので数時間は可能です。従って、パーキング・ブレーキを充分に活用しなければなりません。

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   [写真左上:パーキング・ブレーキパッド]                [写真右上:上に出ているクラッチ・フォーク]

◎Q-3:[油圧が無くなると、クラッチはどうなりますか?]
■A-3:解説
 DSのクラッチは油圧シリンダーがクラッチ・フォーク(ギヤ・ボックスの上にあります)を押すと「切れ」、油圧が無くなると「繋がり」ます。クラッチを断続するフォークは普通は下にあります。また、ペダルを踏む力でレバーは後方に引かれますので、DSのものを見ると錯覚を起こす人が出てきます。これはDSではエンジンやミッションが全く前後逆に配列されていることにも関係があるでしょう。(写真右上)
 しかし、ペダルを踏む「脚力」の代りを「油圧シリンダー」がやってくれる「基本」を考えれば簡単に解かることで、同様にクラッチ調節もこの基本から理解できるでしょう。
 DSのギヤ・ボックスもクラッチも基本的には、全く普通のMT式と同一でしかありません。だから、油圧によるコントロールが「偉大」なのです! 車の歴史に於いてDSのみが「実現」し得た唯一の車なのですから・・![クラッチ・シリンダー](2005-02)

◎Q-4:[手動でクラッチを接続する装置があると聞きますが?]
■A-4:解説
 運転席のステアリングの根元、右下に「小さなレヴァー」があります。これを前に押すとギヤ・セレクターを介してクラッチ・シリンダーから油圧が抜けて、接続することが出来ます。ギヤ・チェンジは出来たので、これを繰り返して運転して帰宅した話があります。指先が痺れてしまったそうです。ここで問題点があります。このレヴァーは「押し上げれば」接続を維持しますから、それ程ではなかろうと思いますが如何なものでしょうか?
 次のQ&Aと同様にギヤ・セレクターを含むクラッチ・コントロール系の油圧回路の詰まりが原因でしょう。[クラッチ・コントロール総論](2005-02)

◎Q-5:[ギヤがバックに入ったままになった時にはどうしますか?]
■A-5:解説
 この件は JCC の[シトロエン特集]に紹介されたものです。この事件では「バックする車を無理矢理に牽引したそうです」が正解は出なかったことを思いだすのです。逆にA-4が記載されていたと思います。今ではどんな答えが出るでしょうか?
 しかし、この事件、一体ギヤが入ったままでエンジンが掛かったのでしょうか? そう考えると、エンジンをかけてギヤをバックに入れたら、スティックしてしまったと想像するべきでしょう。
 従って、キャブレータを絞ってアイドリングをギリギリ下げて、クラッチが切れる回転にするのが正解でしょう。所が下記のような本当の話があるのです! (写真左下は新品のWEBER) もしも、エンジンが止められるのであれば、(写真:右下のガバナーのセンターの小ネジを反時計方向に廻してアイドリングではクラッチが切れるようにすればOKです。

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◎Q-6:[エンジンをかける時には、ブレーキを踏んで行え!車が飛び出す危険がある!と言う「ぶっそうな話」は本当なのですか?]
■A-6:解説
 これは、スターターを廻す時に、セレクターが1速に入ってしまうDSがかなりの台数出まわっているということになります!MT式で言い換えると、1速にギヤを入れてクラッチ・ペダルを踏まないで、スターターを廻すことです!エンジンが掛かっていても、いなくても、車は飛び出すでしょう。スターターにもバッテリーにもかなりの負担でしょう。ましてやエンジンが掛かっては「大変な事に」なります! 実際、スターターを廻しているだけでも、クラッチ・シリンダーは作動し始めます。バッテリーに付いている[手動リレー]で廻してみると見えます。
 この例では、1速に入るだけの油圧があるのですから、クラッチは切れている筈なのですが、どうした事でしょうか? 調整不良であるのは当然なのですが!!!

◎Q-7:[ DS のニュートラル(N)位置は、そのように解かり難いものですか?]
■A-7:解説
 今、私の DS で再確認してきました。この所の週末の雪で2週間以上エンジンを掛けていませんでした。しかし、普通の MT車と比較すればやや弱いかも知れませんが、各ギヤ位置はスプリングにより「明確に」解かります。エンジンが掛かれば油圧により、(N)位置は「ビシット」決まり簡単には動きません。1速、2速では特にカシャ、カシャという「音」と油圧を手に感じます。この感触は「特有のもの」です。1,2速はクラッチ・ロックも連動するからでしょう「始めは異常か?」と思う程です。
 これが不明確であるとすれば、余程セレクターが磨耗しているのでしょう。兎に角、正常とは云える状態ではなく、DS とはこんなものだ!と思っては危険ですね! 少なくとも、ニュートラル(N)の位置が不明であったり、1速に入っいたりとは困ったことで、再調整するべきものでしょう。
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    [写真左上:ギヤ・セレクター]                [写真右上:クラッチ・シリンダー分解図]

◎Q-8:[ブレーキを踏むとキャブレータに油圧が掛かってガスを絞る筈ですが、この状態はエンジンを掛ける際には不適当ではありませんか?]
■A-8:解説
 [キャブレターの交換](2005-05)で解説していますように、左ブレーキ系からキャブへ油圧が掛かって濃度が絞られますので、始動時にはチョークを引いてガスを濃くしているのですから、矛盾した事でしょう。もしもこれで不都合がないのならば、ガスが濃過ぎる設定になっていると考えられます。キャブレターの軸の磨耗でエアをかなり吸っていると思います。

◎Q-9:[エンジン始動に失敗していると、キャブの下にガソリンが滴下するようですが、正常でしょうか?]
■A-9:解説
 これはDSだけでは無くて、吸気マニホールドに余分に溜まったガソリンを逃がす孔があります。しかし、これは長い耐油ホースが真下に下がっていますので、問題はありません。これが無いとこの孔から「エアー」を吸ってしまいますから、必ず取り付けて下さい。

◎Q-10:[エンジンを掛けると、前の方でクー・カチンと音がしますが、なんの音ですか?]
■A-10:解説
 これは高圧ポンプが作動して、メイン・アキウムレータに蓄圧をしている音で、付属するレギュレータが [cut-in:140bar, cut-out:170bar] 蓄圧油量をコントロールしている音です。
 私はスーパー・アキウムレータをBX用で作成して便利に使用しています。[スーパー・アキウムレータの作成:2005-01] 参照。 頻繁にカチン、カチンといっているのは、メイン・アキウムレータの圧が無くなっているので、交換することをお勧めします。高圧ポンプの負担になりますから、結局高いものになります。

◎Q-11:[メイン・アキウムの圧がどの位なのか、交換の時期を知る方法がありますか?]
■Q-11:解説
 この答えを書くために、今、私のDS23で調べて来ました。エンジンを停めてからギヤ・チェンジを何回できるか「回数」を数えました。1速から2,3,4速へと繰り返すのです。シフトレバーに「チャント、シュー・カシャあるいはコトン」と感じるものです。
 例えば、Nから1速に入れて1回ですから1周で8回に数えます。そうすると70回できました。
すまわち、1回動かすとクラッチ・シリンダーが1回、ギヤ・シリンダーが1回ずつポンピングする訳です。計算上も合うLHMの油量です。これで正常だと思います。[メイン・アキウムレータとレギュレータ:(2005-01)] 参照。
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by citroenDS | 2006-02-14 00:33 | DS の整備と解説
[ミニチュアカーの紹介,Ⅹ:NOREV;ID19.AMBULANCE]
[ミニチュアカーの紹介,Ⅹ:NOREV:ID19.AMBULANCE ]

□コメント
 まだ、ID19 Break の3台が残っていました。調べると NOREV (プラスティック・ノレヴの AMBULANCE ) でした。そこでこれらも紹介しない訳にはいかないでしょう。それもトリコロールですから一層でしょう。これらも、シートアレンジや担架のスライド固定、担架が後半分が上方に曲がってる点などは正確です。前のFrance-DINKY や CIJ と比べると仕上がりはかなり落ちますが、3色あるので許して下さい。
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■解説
  AMBULANCE ばかり3種類紹介しましたが、いずれもホイール・ベースや全長など全て同一で約43分の1になっていますし、年式も皆違っているようです。
 ボンネット、リヤーゲートが開き、担架がスライドして出るなど、手が込んでいます。3色をフランス国旗風に並べました。 Ref.40: ID19 AMBULANCE.
 前回の紹介Ⅳの CABRIOLET と同じフロント形状で、ヘッドライトの下に換気孔が開いていますから’63-66年式になります。
 本当に車体全体がこのように同一色が存在したかどうかは不明です。
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by citroenDS | 2006-02-02 22:37 | DS minicar 紹介
[ミニチュアカーの紹介,Ⅸ: AMBULANCE ;F-DINKY,CIJ]
□コメント
 BREAKモデルをまとめていて、AMBULANCE を除外する訳にはいかないでしょう。成り行きとして述べれば、これらはシートの位置による分類といえるでしょう。
補助シートが後席の前に1列出るのが Familiale(定員;8-9)席をたたんで荷室になるのですが、定員7が Confort、5が Commerciale と呼ぶようです。これはTraction Avant の時代からの連続でしょう。
 それと並んで AMBULANCE モデルが正式にあるのです。このモデルは右側後席のみでカタログの「絵」のように左側には患者用のベッドが固定されます。乗せる時には車高を下げているようです。これは「ハイドロ」の宣伝用で実用的に「便利」であったのか?とも思われますが。
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■解説
 この解説はミニチュアカーのことになりそうです。しかし、ここでもミニチュアは良く実車を再現しております。後方よりこの説明になるようにした「写真」が、France-DINKY のものです。Ref.556 :ID 19 AMBULANCE MUNICIPALE '62. (パリ市救急隊)
 外観を重視してルーフに青豆電球を付けたモデルが、CIJ EUROPARC で、このモデルは底板の合金が膨張して多くのものがダメになってしまったので、形を良く保っているものが少なく貴重なものです。CIJ は種類も少なく、生産期間も短かったので一層貴重な存在です。Ref.3/41:CROIX ROUGE FRANCAISE.'57(仏赤十字社)
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by citroenDS | 2006-02-01 15:43 | DS minicar 紹介