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[ギヤ・ボックスの載せ替え]
■コメント
 ギヤ・ボックスに就いて記載していましたが、まずは、油圧関連の装置の解説の方向に進めてきましたので、載せ替え作業は 中断したままになっており、さて、再び戻るべきか否か迷っているのです。パソコンマニアの方々の内にどの位「機械マニア」がいらっしゃるのか?の判断として、今、私の頭にあるのは「メタルカラーの時代」という本のことです。従来、機械、技術を扱った本は一般向けに売れないものとされて来ましたが、そうでは無いことをこの本(週刊誌連載)が証明したのでした。
 最先端技術者との対談を上手くまとめた著者の腕の問題であって、私の考えていることとは違うのかも知れませんが、少なくとも機械そのものの持つ「美しさ」に魅せられる人は存在するであろうと思います。しかし、MAZDAの技術者達が我が家に来た時( MAZDAがCITROENの販売をすることになった時)に、自費出版に対して「何で修理屋に任せておかないのか」と尋ねられたことがあります。「正しい修理をする知識が無いから」と答えましたが、この事実からすれば、ブログにこのような記事を載せて「いい気」になっている方が「異常」なのかも知れません。私にとっては、愛車は1/1スケール・モデルなのですが、今夕のY新聞の”テクノ談義”に「これがラジコン用エンジンかと見ているだけでも面白い・・・模型は本来、本物のシミュレータであったし、今に模型屋は高齢者のたまり場になってしまうだろう」等とあるから許して頂だけるのかとも思う。
 しかし、それでも現在の車のエンジンルームを見ると、全て覆ってしまい「メカ」を見せないデザインだからなあ・・・と迷ってしまいます。
 私は部品だって美しくデザインされているんだぞ!と主張したいと思っています。特にシトロエンのエンジンルームは「醜い」との「定説」を見直して頂きたいのです。その為にも「出来るだけ美しい写真であること」に努めています。機械は美しいものです!

□解説
c0019483_14505846.jpg ギヤ・ボックスを載せ替えるには、古いものを全て撤去する必要がありますが、それに就いては既に大よそ記載してきました。自宅ガレージでやると言っても独りでは無理なので、仲間のW氏に助けを求めて「仕事納め」の翌日に実行するように決まりました。それまでに全て外せるものは完了させておきました。「写真」のようにエンジンとは10本の11mmボルトで連結しているだけです。

●ここに至るまでの作業のまとめ
(1)カムシャフト・プーリーの引き抜き
 DS,CX共に、一般の車と違って補器類への駆動軸はカムシャフトですので、補器類の負荷が大きくなるに従い、カムシャフトへの負担は増加して軸のスプラインが摩耗してくる問題が生じてきます。実際上かなりの欠点です。プリーを引き抜くのですが、プーラーで引けば変形するかも知れないと考えて中古品を買っておきました。
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 前側はラジエータの後ですから、かなり錆びていました。スプラインはと見ると,外観とは違って新品同様である。従って、私が以前から考えといたように、全ての負荷がスプラインに掛るのでは無くて前後のリングワッシャの締め付け摩擦にもたよっている部分も大きい証拠と思いました。(GSのファン・プーリーもこの方法です)カム・シャフトの 24mmナットは 20cmのエクステンションを使っても真っ直ぐにはなら
ないが、電動式インパクトレンチ( Makita;5型:Max.30kgm)で10秒で割合簡単に外れた。プーラー; SUNKEY GP-4。\ 3,980。いずれの道具も最小限必要です!

(2)残りの補器類;クラッチ・ロッド、オルタネータ、高圧ポンプ等を除去しますが、高圧配管類を外した後は、ごみが入らないように栓をするのが良いので、10g と5gの軟膏チューブの蓋を使うと丁度ピッタリです。

(3)ハブの2本のボルトを抜いてトランスミッションをフリーにしておいて、デファレンシャル・シャフトの 17mmボルトをインパクトレンチで抜くのですが、ドライブ・シャフトの内側のハウジングが重いので、番線でサイドメンバーに吊っておく必要があります。DSのパーツはどれも重いので疲れます。この辺りはグリスで汚れているのでシンナーを多用することになります。

■解説 
 新旧ギヤ・ボックスの移動のために、150kgmまで耐えるビニール被膜付き両端処理済みのロープとガス用鉄管を用意し、ギヤ・ボックスを吊り出す計画をしました。「写真」ボンネットは本来、直立するのですが、ガレージの天井につかえてしまうので梯子に固定しました。エンジンから抜いた10本の11mmボルトの位置と本数の確認の為に「差して置くボード」が写真でご覧になれますか?これは、Peterのアドバイスです。
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 事実、Sディーラでエンジン載せ替えの時にカムシャフト左凹みの1本を無くしていました。下ろす時に注意しなければならないのはカム・シャフトと油圧配管であるので、全体を右側へと移動しながら引き出すことです。最後は用意した鉄管でバンパーを乗り越えて外に出しました。車体前部をやや低くしておいた方が良いでしょう。クラッチ・ハウジングはエンジン載せ替えの時に交換してあるので新同です!「写真」クラッチはこの中のプレッシャー・プレートに挟まれて残されています。
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 結果として取り出すのに2時間、新しい方を取り付けるのに2時間掛かりましたが、これはギヤ・ボックスのみの交換時間であり、その他の周囲部品、特に油圧配管の除去と再取り付けの時間の方が大変であるのが、DSのギヤ・ボックス交換です。DSではエンジンとトランスミッションの位置関係が普通の逆ですから、ギヤ・ボックスやクラッチ交換は簡単であることになります。新旧のギヤ・ボックスのクラッチ側を並べたのが次の「写真」です。
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 ここで判明したことは、Sディラーで取り付けられていたスラスト・ベアリングが上下逆でした。新しい方(台車の上)のクラッチ・フォークの部分が見えるでしょうか?この部分は特別の構造ではなくて、ごく一般的な MTの構造で、如何に DSが油圧により、あたかもオートマチックかのごとくに制御したのかに驚かされるのです!
 ハウジングにはフォークの支点であるボールピンがあり、横方向の孔にピンで止めます。スラスト・ベアリングには鋳物製の DS最終型まで使われていた贅沢なものと、今回に用意した SMタイプは上側の切れ込みにクリップでバチンと止める型とがあり、エンジンとミッションとを交換しているうちに、スラスト・ベアリングの新旧型が2個宛(まだまだ使えるのばかりだ!)残ってしまいました。
 クラッチ・ハウジングの中のクラッチのスプラインとギヤ・ボックス軸のスプラインを合わせて、先端部をパイロット・ベアリングに上手く差し込んでしまうまで、位置合わせを微妙にしなければなりません。先端が入れば全てOKです!
 その後で、前述したボードに差して置いた10本の11mmボルトを位置を間違えず
に全て取り付けてから、両側のブレーキユニットとギヤ・ボックスを吊り下げている[サスペンション](ギヤ・ボックスの上の横棒のこと)を組み付けてクロス・メンバーに固定して完成です。とは言っても未だ沢山の「残業」は残っているのです。
 後は私一人でゆっくりと「楽しみながら」正月休みを過ごしましょう!と言った経
過がギヤ・ボックスの載せ替え記録です。

◎ここまでの記載ではクラッチ交換の際の部品を書き残していますので、これらは別項にして解説しましょう
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by citroenDS | 2005-04-18 22:17 | DS の整備と解説
[クラッチ関係全交換]
□コメント
 エンジンを下ろしたのだから、クラッチ関係も全て新品に交換しておくことにした。それにはクラッチ板、プレッシャー・プレート、スラスト・ベアリング等をエンジンと共に輸入しておくことにしておいた。さて、古いエンジンからギヤ・ボックスを外してクラッチ板が見えて来ると、どうだろう、クラッチ板は意外にもかなり残っているではないか。多少の偏摩耗はあるが「ちょっと見」には新同にさえ見える。前のオーナーが何時交換したのか不明であるのだから仕方がないが、一度は交換してあると想像される。後日の自宅でのギヤ・ボックスの交換時のようすからもそう考えるべきだろう。或いはフランスでの使用方法とわれわれの予想とのズレかも知れない。
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■解説
 古いエンジン側に残るのがプレッシャー・プレートで、その問題は[ギヤ・ボックスの載せ替え]に記載する予定ですので略します。このプレッシャー・プレートを取るとフライホイールとクラッチが現われますが、フライホイールはエンジンのクランク軸に6本ボルトで取り付けられています。「写真」左がクラッチ側で、右がエンジン側です。その中心にパイロット・ベアリングがあります。ブレーキ・ディスクの重さにあきれた後でも、このフライホイールの重いのには呆れました。片手で持ち上げるのは無理でしょう。この重量から考えてもDSエンジンがトルク型であることが解ります。周囲の歯型は斜めに切られており、スターター・ピニオンギヤが入り易くなっているものと思いました。
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○新しい部品のリストを記載します。
 クラッチ・ディスク; 5 432 504 :£43:28,360円(ディーラー)。スラスト・ベアリング;5 429 379 :£25:10,770円(ディーラー)。プレッシャー・プレート;£48。いずれも15年前の価格ですが、円高のメリットであまり変わっていないでしょう。これらの部品の「写真」を示します。2枚を合成していますのでご理解下さい。
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●ベアリングに就いて
パイロット・ベアリング;純正品;26201119:3,090円。NSK;6302DDU;370円。
カムシャフト用;NSK;6204DDU;400円。この価格差をどう考えたら良いのでしょうか?しかも聞くところによると、NSKでは一定の期間が過ぎると在庫回収をしてベアリング・グリースを入れ替えるそうです。勿論、全て密閉型です。
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by citroenDS | 2005-04-18 22:04 | DS の整備と解説
[有名なDSのリアシートです]
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by citroenDS | 2005-04-09 13:59 | my DS23 の写真
[サスペンションの物理学]
 サスペンションの項で詳説しますと書いておいたことを忘れておりました。このことに就いては既に、拙著”WHY CITROEN Q&A”の「まえがき」に次いで述べていますが、要点だけ拾ってみましょう。”先ず取り組んだのが[前後関連懸架]の否定であった。何故、2CVに特徴的な方式がDS等のハイドロニュ-マチック・サスペンションにまで拡張されてしまっているのだろうか? この誤りを正すことが出来たのは、つい5年前の「30周年特集」であった。
 今では、めったに書かれていないが 1973年頃の自動車誌やカタログをご覧になれば、シトロエンといえば前後関連と書かれているのです!GSの記事を調べて御覧になれば明らかになりますよ! その議論の最中でさえ、CGの編集長を一時されたシトロエン通の一人とされていたK氏(不思議とK氏ばかり・・・)でさえ、[左右関連あり]とする私の意見には反対されていました!つい20年前の状況はそのようであったのです。左右関連は左右の車高を同一に[そろえる]のを容易にする為であって、ハイトコレクターを一つ節約するのが目的ではありません・・・”と記載しております。
 それに次いで、シトロエン社から発刊されている[高圧油圧システム]に関する参考文献を列挙してありますが、今回、簡単に探し出せたものを並べて「写真」に撮りました。これらの文献の最初に必ず載っているのが、ご存知の3つの「法則」です。(1)Mariotte's Law(断熱圧縮時の気体体積と圧力との積は一定)。(2)Laplace's Equation(ガスの温度が変化する時には上記の体積には 1.4乗が付く)。(3)Pascal's Theorem(液体の釣り合いと、圧力変化の伝達に関する法則)。そこで実車の数値を当てはめて,ざっとした計算をしてみましょう。
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■解説
DSの空車重量:前輪荷重:870kg;後輪:450kg:積載時:1050kg:800kgです。サスペンション・シリンダーの断面積は約 10 平方cmですから、各輪は20で割って、例えば前輪積載時の1個のスフェアにかかる油圧は約 50bar になります。下の略図でも解るようにサスペンションの「てこ比」が約3から5倍ありますから、スフェア1個当り 150bar-200bar になります。従って、P値が3から5倍になるので、V値(500cc)は3から5分の1になります。PV=一定のグラフは双曲線ですから、一番変位量の大きい所を使っていることになり、ガス・バネには適しているところである事が解ります。ジャンボジェットのランディング・ギヤも双曲線で示された数値で油量とガス圧を調整していますが、これは油圧シリンダーであるからです。(Boeing:747資料)

◎ [サスペンション球がブラダ型であること]
サスペンション球の物理学については後述すると記載した折には「車重は4個のスフェアのダイアフラムの総面積で支えられる」と記載しました。この問題に就いては資料は存在しません。ここで「大車林」のシャシーの部(0320)アキュムレーターの項には不活性ガスと流体との隔離方法により、ブラダ型、ダイアフラム型、ピストン型に分類されるとあります。ここで述べられているのはアキュムレーターのことですが、その場合の計算式はPV=一定で内圧と蓄油量との関係は簡単に説明できます。
サスペンション・ スフェアも同一の構造ではありますが「隔壁」で車重を支える点が異なっていると私は考えて来ました。当然、ダイアフラムの両面には同じ圧力が掛かっています。シトロエンが使っているスフェアは「ブラダ型」ですから、この型の空油圧式バネを使っているのは、恐らくシトロエンのみでしょう。当時、日発社長が新聞に「シトロエンのサスペンション・スフェアは工業製品といえるレベルではない」と平気で述べていたのですが、恐らくダイアフラムの弱点を指しているのだと思います。
現在でも皆「ピストン型」ですから、簡単にPV=一定で、荷重により何分の1に圧縮されていると言えば済むのですが、シトロエンの場合には「ブラダ型」ですから、同様に何分の1に圧縮されているとは簡単には決められず、F(力)=S(面積)×P(圧力)を考慮しなければならないと思います。油圧ジャッキと同じ理屈です。
要するに、F=荷重が増加してもPは同じでもSが大きくなることで済むと考えられます。「ブラダ型」をシトロエンが採用した理由は、このようにダイアフラムの面積が増加すれば、単位面積に掛る圧力はパスカルの原理により同じで「シリンダー型」より荷重による容積変動率が小さくて済む利点からであろうと推定されます。すなわち、スフェアの内圧が低くなった時にも、ダイアフラムで「補償出来る」のではないか? と思うのですが、私の間違いかも知れません。


●参考
  ハイドラクティブ・サスペンションへの移行を考える上での考え方を文献;CITROEN XM:E.P.A.から紹介しておきましょう。”Citroen's Velizy Resarh Center では、ハイドロ・ニューマチック・サスペンションが垂直方向では非常に快適であり続けているが、水平方向ではさらなる改良が必要であると知っているので(車体のロールとピッチに対してのコントロール)Casano氏は2つのシステム、即ち、2つのスプリング・レートと2つのダンパー・レートを選択出来るような車を、それも走行中に自動で且つ直ちに行えることが理想であると考えていた。
 それは、今だから言えるのだが、hydraulicsとelectronicsとの「ハッピーな」出会いであったのです”(訳)。 今、われわれは既にこれらの実車,XM等を知っているのですから、さらに述べる必要はないでしょう。
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▲参考文献(RELATION PUBLIQUES CITROEN から刊行されたもの)
*HYDRAULIQUE HAUTE PRESSION 1977;*HYDRAULIQUE 1988;*Hydractive 1990:


◎[ダンパーに就いての資料]
 多くの方々はDS/SMのスフェアとダンパー(SHOCK)について誤解を持っておられると思い、ご紹介しましょう。一体型と分離型とがあります。注意するべきことは、分離型で勝手に変更されたダンパーが混在している可能性がありキチント整理確認するようにとの注意が外国クラブ誌に載っています!

●ここで重要なことがあります。図の下のように1955年にDS19が登場した時から1962年までは、(W/O=with out) バイパス・ホールが無かったことです! そのために、図表の3=0.03mm の薄いダンパー(シム)が入っていたのです。ですから簡単に左右関連と言いますが、左右を連結する配管のインピーダンスと現在のスフェアには無い!極めて薄いシムのことを誰も考えていないことが問題なのです。DS19の設計者は過大なロールのためか?バイパス・ホールを作っていなかったのに、1963年から何故、これを開けて現在のスフェアと機能的に同じものにしたのでしょうか?? 
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by citroenDS | 2005-04-09 13:24 | Citroen 資料紹介
桜の開花? と思ったら雨が降っております。
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 咲いたばかりの花が心配な雨が降っております。
 管理人はMacのG4パワーブックをメインマシンに、Bフレッツで使用いたしておりますが、citroenDSは私の御下がりの、「(最初の)ペンティアム120MHz」windows95ノート、メモリ80MB(これでもメーカー保証外まで増設しています(^_^;))、28.8キロモデム、もちろんダイアルアップ回線、です。
 そのため、直にブログに書き込むまでに至っておりませず、管理人がメールでレスを受け取って書き込んでおります関係で、レスが遅れることがございますが、御許し下さい。

 自費出版致しました、「WHAT’S DS」を御存知の方々よりの書き込み、嬉しく拝見しております。これからの予定では、ユーザー車検についてなど、いろいろ考えているようです。
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by citroenDS | 2005-04-03 23:38 | CitroenDSの意見