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[サスペンション形式]
◆ コメント
 前回高圧油圧系 [HYDRAULIC SYSTEM] の全体図を紹介ましたように、やっと残すはサスペンション・シリンダーを含む前後のサスペンション形式になりました。30 年以上前にはフロントのサスペンション形式に就いては、リーディングだとかダブル・ウイシュボーンだとかと議論が盛んでしたが、今日ではダブル・ウイシュボン(鳥の鎖骨形状の上下)の片側が省略されたものと決着が付いています。
 ところで、DS と SM では同一部品を使っていますが、DS では前側が無く、SM では逆になっているので、DS では(2CV も同じ) 強い衝撃を前輪に受けるとアームが開いてしまうことが希にあるようです!前サスに就いてはその他には問題は無いのですが、私の知識の範囲で一般のテキストに書いて無い問題を記載しておきましょう。ご存知の通り前後共に左右関連がありますが(同一のフィード・ライン接続)、これではロールに弱いので、この配管の内部にはワイヤーが入っており、管内の流体の「抵抗を増加させていると記載されています( HOW CITROEN;J.P.CHASSIN ) Citroen has jammed a calibrated wire in that pipe)。同じ目的でハイドロ付きのジャガーの後輪でも細い内径のパイプを使っていた筈です。
 私自身 DS のパイプ内部を点検していませんので、真実と断言は出来ませんが、ロールですと配管のインピーダンス上は直流に近いので→0 になり、その有効性は疑問になります。次に、これは広報誌;Le DoubleChevron;No:10に記載されていますが「全長に比して世界最大である」前輪のワイド・トレッドはアンチ・ロールの為であるとされています。後輪に関しては、トレーリング・アームと90度方向を変えて寝かせたサスペンション・ユニットに就いての「誤解」が大変に多く困ったことです。サスペンションは荷重を受けるものですから、当然直上で荷重を受ける「ストラット」が有利なのです。しかし、このストラットの為に「ストラット・タワー」がリヤ・トランク内に突出して邪魔な存在になることも明白であり、どの車でも無い方がスペース利用上有利です。有利なことばかりならば全車が採用する筈であり、二者択一のどちらを選ぶかは設計者の考え次第なのは当然です。
 シトロエンは TRACTION AVANT (1934) 以来リヤはトレーリング・アームで通してきたことすら知らないで自動車記事を書くから困るのです!BXの時にはCGの当時の Test リポートを書いていたT氏の記事「プジョーのリヤ・サスを流用た・・・」に対して、一体どちらが歴史的に先にリヤ・トレーリング・アームを使ってきたのか?と質問しました。当時、私はMAZDAの技術者に質問して「トランクに突出しない代わりに、90 度作用する力の方向を変えるには、相当に構造上の強度を上げなければならず、コストや重量の問題があるので良い事だけを考えてもだめだ」と教えて頂いていました。
 これらは全て拙著;WHY CITROEN Q&A;1989 に記載してあります。「大車林」にも「横方向に車輪が動き易い欠点がある」と記載されており、DS を見ても頑丈さに驚くのですが前輪駆動である点も採用し易いのだと私は考えていますが、今のような FF 時代にはあまり説得力はありませんか?? このように、知識も無しに簡単に記事をまとめてしまう、無反省体質を Kエディターに申し上げましたが、その場限りの言い訳に終始してしまいました。
 最近も「週間朝日」に連載された「通といえばCAR」で K氏もCITROEN C 5 で「驚くほど広い荷室が現れる。通常の金属バネを使ったサスペンションではないので、側壁に余計な出っ張りがないのがきいている」(原文のまま)と記載してあるので、上記の内容を書いて質問しましたが何の返答もありません。
 バネの質の問題ではなくてサスペンション形式の問題です!同じ文章の後半では「かっては油圧のお化けと陰口をたたかれたサスペンションも、5 年間、または 20万km のあいだ、特別なメンテナンスを必要としなくなった。古いハイドロ・シトロエンのオーナーなら、歯がみして悔しがる進歩だろう」(原文のまま)と!しかも、過去、4 台のシトロエンを所有したシンパというのだから呆れたものだ!「油圧のお化けといわれたのは] DS のこと、それも半自動の私が言う DXのことであって、油圧サスペンションでそれ程苦労した歴史は無い! のです。
 一応、ディーラー技術課にこの件を問い合わせた所「これはメーカーの目指した目標
と考えて欲しい」とのことで、
この間メンテナンス・フリーでもなければ、無料保証でも無く、そのような販売もしていないとのことであった。このように、シトロエンの記事は「面白可笑しく書けば良い」のだと長年決まってきたので、これで高い原稿料を頂けるのですからアリガタイことです!
 この際、追記しておきますが、シトロエン広報が作製した XM のデモ・ビデオ(ハイドラクティブサスペンションの 3 スフェアの働き)の「ハード」と「ソフト」は全く逆ですので気を付けて下さい! 3 スフェアの時→気室が大きくなるからバネは柔らかくなる→ホイール・ストロークは大きくなります。「ハード」では左右関連を断って4輪が独立になりますので(各輪が1 スフェアになります)良く見ていれば直ぐに間違いだ!と気付きます。もしも、仮定としてこの1 スフェア走行が長時間持続した時、サスペンション・シリンダーから油圧が抜けたらば、CPU は車高異常をどう修正する指示を何処にし、修正出来ない矛盾を解決するのでしょうか?意地悪な質問です!これはユーノス時代ですが、このデモ・テープを見てハイドラクティブ・サスペンションを誤認している執筆者がいるので困るんです。
 上記したように「古いハイドロ・シトロエン・オーナーが歯がみして悔しがる程、サスペンション・シリンダー自体が壊れる筈はないので」あまり整備や修理に就いて記載することがないのが実状です。シール類の交換部品は J.B.M の詳細なカタログがあります。

●参考
 DS のサスペンションを設計した時に、恐らく4 輪にハイト・コレクター装備を計画したでしょう。しかし、ハイト・コレクターの項で述べたように、4 輪の高さ、変位速度等を一致させるのが如何に困難であるかを知ってあきらめたものでしょう。よって当時は、左右関連は結果でしかなかったと考えます。また、Le Doubl Chevron;No95に記載されている”ACTIVA”の記事でも車高センサーは前後各1個宛しか装備されていません。4輪の車高を独立に制御する意義がそれ程に重要であるとは考えられません。
 XM等では前右側を選んで大よその車高を設定して、後は姿勢制御にまかせる考え方でしょう。だから4輪独立制御はあまりメリットは無いと思います。
 また、1984;ECO 2000の プレス用資料では、前サスがMc Pherson Strutで、後は1スフェアの電子制御ハイドロ・ニューマチックであると書いてあります。恐らくパナール式の横置リーフの中央にハイドロ・ユニットを追加した簡易型がシトロエンの将来の小型車のサスになると「噂されされて」いましたから、この発展型として3スフェアを考えた方が論理的ではないかと思います。C1,C3などの小型シトロエン車が「このサス」でなかったことを非常に残念に思っています!

◎もう一つ追加しますと「ばね下重量」と「乗り心地」の問題があります。シトロエン車は皆ばね下重量は大きいものですが「乗り心地」は良いとされる[矛盾」が長らく続いています。人間の感覚がはたして何処まで信頼出来るものであるのか?私には多いに疑問なのです。
 この件に就いては、CGのMEHARIの記事で「前後関連であるから」乗り心地が良いとインプレッションを記載してしまったのですが、実はこの車のサスペンション・シリンダーが溶接固定されていることを私は見て知っていましたから、事実を指摘して「いい加減」なことを書くなと訂正させたことがあります!人間の感覚程当てにならないものはありません。

[サスペンション・シリンダー]
□解説
 上記の次第ですので、”D”model No611,3-434/2 Rear Suspension Cylinders を載せるのみにします。3:Cylinder complete:5 410 163, 4:Piston rod:5 410 068, 5:Rubber bush: 5 409 990, 6:Rubber ring:5 409 960, 7:Securing plate:5 412
335, 8:Dust cover:5 410 161, 9:Felt washer:5 409 958, 10:Closing cup: 11:Rod
pin 12:Dust cover 13:Cylinder nut 14:Thrust washer 15:Ball seat, 16:Joint
teflon, 17:Joint, 18:Plate screw, 19:Rod ball, 20:Sealing ring, 21:Collar,
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[ダスト・カバーの交換]
□解説
ダスト・ブーツ、コーヒーポットとも呼ばれるものです。パーツナンバー;5 410
161.$27:形状を変える必要がないからか 1954年の Traction Avant ”H”のリヤに付いているものと同一なのには、不思議な思いすら持ちませんか。J.B.M から買えば親切丁寧な図解の交換説明書が付いてきます。この交換方法でどちらにしようか迷うのが、ダスト・カバーのロッドの側をそのまま取り付けるのか、反転させるか(かなりきびしい!)で、結果的には「どちらでも良い」ことなのですが、何故、2通りの完成図があるのか不思議 なことです。
 実際、交換する必要はなかったのですが、数年前にLHMが床面に漏れていたのをハイトコレクターからであったのを思い違いして交換しました。それも車検の前であったので、やや表面が老化していたので新品にしておきたかった訳です。その際に撮影した写真が「完成した写真」しか見つからないのでお許し下さい。それも照明電球のせいで色彩に難があります。これはSMとも共通ですが最初から最後までアコーディオン型にしなかったのはシトロエン流と言う事でしょうか。何とも不思議な形です。4のピストン・ロッドはダスト・ブーツのシリンダー側のバンドを外して、11のロッド・ピンも抜いて、シリンダー内から抜き出します。15のボール・シートの中にパチンコ玉が在り、ロッドの下端の楕円形の凹みとの間にはさまっています。この面が減り過ぎて変形していると、車高の上下動で「異音を発生」するのだそうで、その場合にはドリルで「整形」するように書いてあります。
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◆アドバイス
一般的には時々グリスを15に入れてやれば良いでしょう。外力で破れない限り老化して破れることは無いでしょうし、破れてもパンク修理で大丈夫だと思います。要は正にダスト除けでしかないのですから・・・事実シリンダーからのLHM漏れも殆どありませんでした。

◎[サスペンション・ストッパー]
Suspension Buffer ともいう。サスペンション・ストロークの両端を止めている円錐形のゴム製ストッパーです。車高のMAX とMIN を決めているのです。特に、油圧が抜けて車高が最低になった時に重要です。これが無くなってしまうことがあるようで、J.B.Mの説明書によりますと、無くなった際に生ずる被害が多数記載されています。シリンダー、やマフラーを壊すので観察して無い時には接着剤でとめるようにと書いてありますが、私にはこの円錐形のストッパーが見事に!変形してしまうことの方が心配になり、最初に書きました駐車時には必ず「ジャッキをかう」のを推薦した理由の一つになっています。Break用は2本ネジ付きです。円錐形、四角形、ネジ付き、$7〜15。「写真参照」
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by citroenDS | 2005-03-26 20:08 | DS の整備と解説
[DSのハイトコレクター]
[セルフ・レベリング・システム]
■コメント
 この問題を解説するとき思い出すのは、CGとの[アクティブ・サスペンション]についての論争です。ロータス F−1がアクティブ・サスペンションを装備したとの話題を、ポール・フレール先生がレポートした折りのことでした。これを「大車林」で調べて、問題点のみ引用してみますと、アクティブ制御方法に集約されます。運転者の操作に応じて制御する[フィードフォワード制御]、車の挙動に応じて制御する、[フィードバック制御]、前方路面状況を検出して制御する[プレビュー制御]があると記載されています。
 前2者に付いては問題は無いのですが(既に、XMで採用されているように、装備している車は多い)[プレビュー制御]となると、前方路面の凹凸を検出するセンサーにより得られた情報により、油圧アクチュエーターをコントロールして路面の凹凸に合わせて車輪を上下させることになります。簡単に言えば「バネ無し車」が可能であるとの主張でした。「大車林」の油圧アクチュエーターの項に記載されているのは、シーマ用のシステムであり、CGの記事でも同じことが書いてあったのを思いだすのですが、アクチュエーターに並べて配置するコイルばねは、油圧作用しないときの車高の保持と、必要油圧の低減のためであって「ばね無し車」が可能であるとする記載です。当時の記事では、ロータスではこの「ばね無し車」を1年以内に発売すると書いてありましたが、未だにそのような話は聞いたことがありません。
 お気付きのように「液体は圧縮出来ない」のですから、この並列に装備された「ばね」が問題で、静荷重を支持するとありますから、一般的な車のばねと同じではないのか?が第1の問題点です。次に、その時のテーマが Fー1でありましたから、どのようなセンサーで路面の凹凸を検知して演算が間に合ったところで、車輪を路面に「ピタリと」合わせた位置にアクチュエーターの作動設定が出来る筈がないと私は反論し「ポール先生にも筆の誤り」と指摘したのでした。当時、K氏の反論はF−1のセンサーの位置が低いから「うまく機能しなかった」と記していたと記憶していますが、全くバカバカしいことで、そのような車を市販して何のメリットがあるというのか?と私が言って終わったと思います。
 今回のシーマのシステムの事は良く検討していませんが「圧力制御弁でメインアキュウムとサブアキュウムとの間の圧力バランスを取る・・・」との記載があるから、ロータスの件と同様に、単なる大型の「気室」を備えたショック・アブソーバーとの組み合わせであろうと思うのです。「ばね」の無い油圧単独アクチュエーターでロードホールディングとショックを吸収出来たら大したものでしょう。
 F−1での条件であれば「ばね無し」も可能でしょうが当時の記憶では油圧用に航空機用の高圧ポンプを使用したそうですから、それだけ大量の高圧作動油が必要であった!)komatsuも対応しきれなかったのではないのでしょうか。アクティブ・サスペンションは姿勢制御だけで充分であり、「ばね無し車」無用論が「私見」です。


[DSのハイトコレクター]
■コメント
 アクティブサスペンションに於いては、車高の検出は赤外線センサーで路面間の距離を測定するのに対して、ハイドロニューマチック・サスペンションでは、純粋に機械的なものです。既に、皆さんもご存知のように前後共にサスペンション・アーム軸にある[アンチロール・バー]の捻じれの平均値である中央部の変位を、DSでは前後共に「左側」にあるハイトコレクターに1m近い長さのロッドで伝えるのです。
 これは実に「おおざっぱ」な話で、センサーで測定するのとは違います。しかし、これで充分に機能している事実が重要ではないのでしょうか?同じアクティブサスペンションに分類されていても、基本的な考え方が全く違います。路面の凹凸にCPUで演算する速度が間に合うかどうかの問題と、ハイドロニューマチックでは逆に反応時間を意図的に遅らせる装置(ダッシュポット)をハイトコレクター内部に持つことです。
 すなわち、サスペンション・シリンダーに「出入り」する油圧を3-WAY-Valveでコントロールする際に、ニュートラル・ポシションから変位する(上下させる)際には、スライド・バルブを左か右に動かすのですが、この際には自由にLHMが移動する方のパイプを閉ざしてしまい、ダッシュポットを無理に通過させるのでサシペンション・シリンダーへの油圧供給が遅くなり、結果として車高変化が「ゆっくり」になります。この考え方は、路面の変化に敏感に反応し過ぎると、反って不都合になるからです。
「ダッシュポット」の構造は、中心に0.3mm径の孔がある5.8mm径の円盤(FOIL-WASHER)8枚から成ります。このハイト・コレクターは全車種に共通ですから流用が出来ますが、GSは配管径が7mmと少し細くなっています。この装置の故障は先ずありません。手動で車高を変える場合も、基本的には上記したスライド・バルブの移動には変わりはありません。

□解説
 ここでは、リヤ・サスペンションが良く「写真」撮影されていますので、詳しく記載しましょう。フロントからリヤへの[ブレーキ配管]、[サスペンション配管]、[手動車高調整ロッド]は全て左側のメイン・フレームに沿って束ねられているのが解ります。ブレーキ配管は一番下で、これは「トの字型」の[3-way-union]で分岐して「U字型」のゴム・ホースでリヤ・トレーリング・アームに移行しています。
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 ブレーキ・ホースは車検の度に注意深く点検していますが、他のゴム類と同様に非常に良い状態を20年間も保っています。[3-way-union]の後方でサスペンション系の配管類が多数みえます。この説明には、トランクの一番奥に隠されているリヤ・トーション・バーの上に3本の配管が見えるので良く解るでしょう。右側へのブレーキ配管、サスペンション配管とリターンチューブです。中央上にハイトコレクターへのコントロールロッドが左側へ伸びています。右側下のやや細いロッドはヘッドライト・上下コントロール用のもので、床面下を右前にまで達しますが輸入ディーラーで販売した時には「殺され」ておりますが、私の車では立派に「生きて」いました。このヘッドライト・コントロールに就いては「別項で記載」します。「写真」をもう一度見て下さい。
ブレーキ系の「トの字型」の[3-WAY-UNION]の後に[4WAY-UNION]があります。これがサスペンション系配管で1本が右サスペンション、2本目が右サスペンション、3本目がハイトコレクターで4本目が前へ戻ってブレーキ圧配分用になります。高圧配管が1本とリターン配管1本がハイトコレクターへ「山型」を描いて上からハ
イトコレクターに入ります。手動車高調整ロッドが一番上を通りハイトコレクターの上の横ロッドでハイトコレクターのボールジョイントを、下側からアンチロールバーからのロッドがそれぞれ動かしています。
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ここで、多くのテキストに載っているモノクロ図を、No 639/5よりカラー版を載せておきます。いままで述べてきた、油圧系の総決算ですが「ブログ」上では色付きで紹介出来るのはウレシイですね!それでもデータ量を減らすために、数字の装置名は打ち込むより他ありませんね・・・。
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[HYDRAULIC SYSTEM] 1.Hydrauric Selector
2.Suspension Cylinder Front 3.Union,4way-1 4.High Pressure Pump 5.Brake
Unit,Front 6.Brake Accumulator,Front 7.Presure-Regulator 8.Feed to
Power-Steering-Rack 9.Height Corrector,Front 10.Feed to brake control for
Front Brakes 11.Priority Valve 12.Overflow Return 13.Feed to Brake Pressure
Distributor Cylinder 14.Union for Brake Control 15.Feed to Brake Control
16.Height Corrector,Rear 17.Suspension Cylinder,Rear 18.Breke Drum,Rear.

▲フロントに就いては、グリースアップ・ポイントが2個所あり、前のオーナーがというよりもフランスのGARAGEのオヤジ?が見当外れの整備をしたので、カバーを外すともうグリースで一杯で「ドンブリに何杯も」除去するだけで大変でした。そのお陰で垂れ下がるグリースで錆とは縁がなくて済みました。
 また、よく泥汚れを落とさずに「凍結防止剤対策」用のオイル?をたっぷり毎年塗ったようで、下回りは泥と油のタール状でした。「錆無し」を喜ぶべきでしょう。スクレーパーで一部分掻き取りましたが、下から現れるのは錆無しのオリジナル塗装でしたので止めにしました。グリースだらけの「写真」を示しておきますが、このレベルがプロのやるスチームクリーン後の状態です。これ以上は趣味の問題?となる訳です。
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◆アドバイス
 リヤ・フェンダーは、ご存知のように後のボルト1本を抜けば、写真でも見えるリヤ・ドアーの前の2本の角から抜くと、真上の金具で吊られているだけだから全て無くなるのはリヤ・ブレーキの項で述べた。中の3角形のカバーを除去すると配管類が見える。私の車では錆は少なく部分的に落としてホルツの亜鉛を吹いたところだが、この程度の処理はしておくべきだろう。トランクの奥にあるアンチ・ロール・バーを収納している所が私のDSのように錆無しのピカピカとは限りません。このような”MINT CONDITION”にはめったにお目に掛れないと思った方が良いと思います!
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 DSのスタイリングのせいで、トランクの床面は奥に行く程に低くなるので、入った水はこの部分に全て溜まってしまうので錆やすい「弱点」であるのです!
 ですから、中古のDSを買う時には必ず錆の有無を確かめる場所であるのです!この部分の錆が酷かったら「価値なし」と判断して手を出さないことです。くれぐれもお忘れなきように!!!そのような車は、トランク・リッドの裏の防水スポンジの表面のゴム膜がダメになっている筈ですし、周囲も錆て水漏れがあると決めて良いのです。

●車高はトーションバーからのロッドとハイトコレクターの微調整で簡単に決まると甘く考えない方がよいと思います。かなりいい加減なくせに敏感なところがあるのです。その構造を理解されればご納得される筈です。トーション・バーから路面まで何cmと記載されていますが、まず無理な事で、前輪の場合にはタイヤとフェンダーまでが「げん骨一つ」、後輪はフェンダー下縁がホイール・キャップのセンターの少し
上といった程度のもので、実際に結果オーライなのです。手動車高調整は一層「あいまい」なものですから省略します。
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by citroenDS | 2005-03-20 13:40 | DS の整備と解説
[BRAKE PRESSURE DISTRIBUTOR]
◆ Comment.

 「ブレーキ圧の分配装置」としておきましょう。この装置が装備されているのはDS(DX/DJ/DY)で、その他のタイプには後の GSに装備された前、後の回路が縦に並んでいるものです。ここで示す装置は後輪のサスペンション油圧が接続されたシリンダーによって、ブレーキ・ペタルの支点をローラー移動して並列した(横に並んだ)前後のブレーキ・シリンダーを押す力を変動させるもので、DSにだけ装備されたものです。
 "D"No611では 4-456に、No639/5では D.45-5にタイトル名で収録されています。 また、"D"611では 4-453/3にロラー以外の部分が HYDRAURIC BRAKE CONTOROLとして収録されています。私が敢えて詳細に記載した理由は、シトロエンは後輪ブレーキは後輪荷重によるのは当然のことであって、その上に後輪油圧によって「支点を移動」させて、一層後輪のロックを防ぐための装置を追加した点に注目したいからです。それも敢えて D-modelでも上級モデルにのみに装備し、下級モデルと差別を付けたことでもあります。将来、”D”modelの全ての車種分類とその違いを詳しく記載するときがあると思いますが、それぞれの装備が大変に違うことに驚かれるでしょう。
 例えば、モール類がアルミとステンレス、ウインドー・ガラスが無色から色つきの 程度が二種類、シートも当然に布と革で、内装は天と地程の差があります。テール・ライトですらメッキと黒と言った具合です。その上にオプションでもいろいろ特別仕様が加わります。

解説   ここに珍しい資料があります。縦:30.5cm,横:15cmという超変形判です。フランス語版でなくスウェーデン語版であるのが少し残念ですが、DS ID BREAK 19 HYDRAULIQUEと黒表紙に DSは赤、IDはオレンジ、19は薄茶、REAKは空色と大変凝った色とデザインです。
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 Delpire Publicite. Printed in France. by Photolith. Paris- とあります。
 年代は記してありませんが中の写真からすると'65~'66年と思われます。この中の図を見れば多くを書く必要は無いでしょう。ブレーキ・アキウムレータの逆止弁の方向も見てください。私の車はこの部分は全く手を入れる必要が生じませんでしたので、新品のペタルが手に入ったので交換しただけです。
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by citroenDS | 2005-03-20 13:21 | Citroen 資料紹介
[リヤ・ブレーキの点検、整備]
◆ コメント

 シトロエンの油圧配管系が複雑で手間の掛るのに比して、DS のブレーキ系はフロントもリヤも実に簡単であり、シロウトの手におえる範囲であることはウレシイものである。ここで再度記載するまでもなく、フロント・ブレーキ系はインボード・ディスクであるから、ブレーキ・クリーンで清掃して終わりであり、ブレーキ・パッドの交換は大型の安全ピンを外すだけである。
 リヤ・ブレーキもボルト1本でリヤ・フェンダーが外れるから全ての作業は充分過ぎる視野が確保されているから、ゆっくりと座って楽しめる。フロントと同様にハブと無関係に作業が出来ることが「利点」である訳です。パーツ屋のカタログの中に、DX-451-017a;Rear Brake Shoes(4),sedan:$35 を見つけた時、日本でライニングを貼りかえるには、この値段では出来ないと考えてすぐに注文した。所が「DS のリヤは交換する程減りませんよ」と笑われてしまった。DS のブレーキ・ドラムはハブ・シャフトと2本の小さなボルトで止められているだけであるから、ドラムはハンマーで叩けばタイヤを止める 5 本ボルトをハブに残して簡単に外れると書いてあるので、ドラムの周囲を叩けど「カンカン」響くだけでどうにもならない。
 CRCをボルトの周囲とドラムとハブの接続部に吹いてから、センターを「ゴン」と叩いたら「反動」で簡単に外れた。良く考えれば当然の話であった。このブレーキ・ドラムの重量は何と約 4.5kgもあり、直径 30cmもある大物である。ドラムが外れると中にブレーキ・シューが見える。皆さんのご期待に反してライニングの残りは、前上が 1mmで、後下が 3mmと片減りがあるものの、 2mmで新品の5mmからすると交換してもよい時期でしょう。

◆ 解説
 ブレーキ・シューの交換をするには、バック・プレート(残った大きなお皿)の裏にある14mmナットを廻して「調整用カム」を緩めて、シューを接近させてから、ステンレス製のスプリングを外す。次に、中央部にあるガイド・ロッドを裏側からおさえて、スプリング・キャップを押しながら90°廻して外す。これには、特別の工具があるが1mm位の鉄線で自作しても良し、勿論、手で廻せるが指は痛くなるかも知れない!残るのはシューの下部の14mmナットであるが、これが曲者で錆ている上に材質が悪く厚さが半分しか無いから廻らない!バイスグリップで廻さなければならず、新しいナットを探さねばならない。
 特別のサイズのナットでボルト径が9mmなので、日本では手に入らないからディーラで古いボルト、ナット類の中から探し出したが困った問題だと思います。その奥のシューの大きな穴に「偏心ナット」がはまっていますが、これがまた錆びて動かない。大きなソケットを下に置いて、小さなソケットで叩きだします。
 要するに、リヤ・ブレーキは減らないからと、フランスでは全く整備していなかったのでしょう。その位にフランスのガレージのレベルは低いと思った方が正しいのだろう!さて、バックプレートの錆をどこまで落とすか?は、美的センスの問題になりますが、適当なところで「妥協」しなければならないでしょう!「写真参照」
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 錆び落としをして、ブレーキクリーンで洗って、ジンク・プレートやシールコートを使い分けるのは何時もの通りです。最後が一番上にあるブレーキ・シューを開くブレーキシリンダー・ユニットです。まだ、緑色が残っているしダスト・キャップのゴムも完全であった。念のため、分解してブレーキ・クリーンで清掃してLHMを入れて元に戻して完了です。数年前、車検整備で LHM漏れが少量あったので、J.B.Mで売っているシールキットと交換しました。BRAKE CYLINER SEALS:$13.50。
 組立は以上の作業を逆に行うのであり、問題は特にありません。ブレーキ・シューの
位置調整にはいろいろな方法が書かれていますが、センターから同一の半径になるように糸を張り一回りさせて見ればOKであるし、バックプレートの円周と比較しても見当はつく。次の車検の時に点検して片減りがあれば修正すれば良いと思う程度のこと。
 また、ドアーを開けたままでブレーキ・ペタルを踏むと「カタン、カタン」と小さな音がするので「あそび」が解りますから、それで判断しても良いと思います。ブレーキ配管とシリンダーからのエア抜きは、シリンダーの背面にキャップがありますから、型の如く行えば終了です。組み立て完成「写真」
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のように、シンクプレート(亜鉛塗装)でドラムをアンダーコートして表側にはシャシーブラックを吹いて完了しました。

◆ アドバイス
 私はユーザー車検で17年間(3、2×7回)済ませてきましたが、本来、ブレーキ点検は走行 5,000km未満は省略してよい項目になっていますが、いつまでも省略していて良い筈はないだろうに、今迄、一度も提出した整備記録を点検したようすがありません。また、ブレーキ系の点検、整備はプロが行うことになっているので、一応、私は点検した写真を車検証に入れてありますが、それで良い理由にはならないでしょう。
 構造を説明してハブを触らずに出来ると主張するつもりですが、口実を作らせないように充分に注意して、「ピカピカ」にして持って行くようにしています。オイル漏れも一切なしです! DS,CXでは後輪の油圧が低いので(トランクが空で荷重が低いからでは?)ブレーキ力が出ないと言われていますが、私はトランクにタイヤや工具などで一杯にしているので、今迄に一度も落ちたことがありません。ディーラーでも後輪ブレーキの検査の為に、車高をMAXにして受ける(MAXにすれば油圧もMAXになるから)と言われていますが・・・CXに比べればDSはミッドシップ・エンジンであるからでしょうか?。

◇参考
(1) 前後輪いずれにせよ、メイン・フレームの四隅をジャッキで固定して作業をするのは、ハイドロ車の作業をする上での常識ですが、タイヤを外すにはサスペンション・アームもジャッキで上げる必要があるので、4個以上のジャッキを日頃から用意しておくことです。油圧式の2トン・ジャッキを1台、普通のパンタグラフ式も数個集めておくように、お薦めしておきます。
(2)リヤ・ブレーキ・シューのデータを記載しておきましょう。サルーンとブレック(safari,wagon等、カタログでも不統一)では、サイズが異なります。ライニングの幅;Break:45mm,Berline:35mm.ホイール・シリンダー・ピストンの径Break:20mm,Berline:18mmで、当然後輪荷重の大きくなるBreakの方がサイズが大きい。また、サスペンション球も500ccに対して700ccであったと記憶しています。
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by citroenDS | 2005-03-20 13:08 | DS の整備と解説
カタログの写真をUPしました!
 カタログの中から、有名な写真を中心にUP致しました。
 クリックしていただきますと、原寸に近いサイズになります。
 「カタログ紹介」のところからご覧下さい。
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by citroenDS | 2005-03-13 15:41 | CitroenDSの意見
[パワー・ステアリング・ラックの輸入と交換]
■コメント
 DSのパワー・ステアリング・ラックには、一般の車よりも遥かに高圧の油圧で作動しているので、油圧シリンダーは小型にすることが出来ます。その反面で油圧シールがテフロン・リングを使っているので、交換するには圧入する特殊工具が必要になりますが、かつての輸入ディラーには既にありませんでした。その為にラック直下のギヤ・ボックスの上に緑色のプールを作っているDSが多いようです。欧米ではこの特殊工具を売っていますが、一般的には古いものを送り整備済みのものと「交換」する方式です。
 英国のHYPERTRONICSに注文しておいたのだが、返事がないままになっていた。ところが、突然に郵便小包(10 kgまで)が届いた。大きさと形からステアリング・ラックであるのは直ぐにわかった。[写真]
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 ブーツ類は新品、全体もグリーンに奇麗に塗装してある。オイル・シールが2個に接続ロッド部に使うフレキシブロックも2個付いてきた。部品合計で£264、送料£41。当時で約 8万円であったが、現在でも為替換算で同程度だろう。それに古いラックを返送するから、もう1万円かかる。その頃のJ.B.Mの価格が6万円程であったから、為替を考えると米国のほうが安いだろう。特に最近はその傾向にあるだろう。アライメント用特殊工具(1955T;$35)が無いと言うので直ぐにJ.B.Mに注文したら、12日で来た!米国では古い部品を返送する時には、出来るだけ奇麗にして送り返さないと「手間賃」として$30/時間を取られるので注意。ラックのアコーディング・ブーツが破れ易いのでJ.B.Mでは肉厚のものを開発している。$28×2。

□解説
 パワー・ステアリング・ラックの交換作業は、押さえるべき所をキチント行えばたいしたことではない。パワー・ステアリング・ラック本体(ボックスと書いてある)の中央部から左右のステアリング・ロッドが出ている。これはフレキシ・ブロックを介して取り付けられる。ロッドの対側は左右のステアリング・リレーのアッパーアームが取り付けられている。これはL型のアンダー・アームと「写真」の如くにスプラインで接続されているから、確りと「マーク」をすることが大切である。私は絶対に消えないように「ドリル」で「マーク」を彫って白色に塗った。
 これはDSのステアリング・ラックがギヤ・ボックスの上にあり、リレー部を介してアンダー・アームがハブを動かす形式であるからで、このようにして、両側のリレーのアッパー・アームをスプラインで外すと、ステアリング・リレーの軸が前方でステアリング・ラック本体を固定しているのが解る。
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「写真」は右側リレーの頂部の周囲を写していますが、右側のアッパー・アームの内側に三角形の金具が見えますが、これはステアリングの動きに連動する内側の補助ライトを動かすロッドが繋がる所です。左側のステアリング軸には2個の油圧バルブがあり四角いゴム製ダストカバーで保護されていま
す。この直ぐ前には高圧油圧配管の接続プレートがあります。
 バルブを開閉する軸には4分割されたスプラインがあり、ステアリング軸と噛み合っていて、スプラインの中央の凹みに10mmボルトが貫通して固定しているので、交換するにはラック本体を前下方向に、次いで右方向に「ゆっくりと注意深く」移動して取り外すのだが、ラック本体は想像するよりも「重い」ので、じっくり腰を据える必要があります。最初に記載しませんでしたが、DSではエンジン・ルーム内の大きな作業をするには、前フェンダーを外して行うのは「当然」のことなのです。この作業でも、最小限左側のフェンダーとバッテリーの取り外しは必要です。

◆アドバイス
 パワステ・ラックの着脱には、かなり時間が掛るので油圧配管の作業には共通の「配管部分にゴミが入らないようにビニール袋で覆っておく」注意が必要です。取り付けには、「特殊工具;アライメント・ツール:1955 T」が必要です。
 これはステアリング軸とステアリング・ラックを一直線に組み付ける為に3点の位置を決める訳です。これで正確なアライメントを出したら、左右のリレーの取り付けボルトとステアリング軸のボルトを締めます。結果、ステアリング軸と左側のリレー軸との間隔は指定の 122.5mmになっています。重たい以外に大して難しい作業はありません。
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「写真」

▲参考
 DSのパワーステアリングは、ステアリングをきった側のスライド・バルブが開いて反対側のシリンダーに油圧が掛るので、常時油圧が掛かっている訳では無いからオイル漏れは少ない。
 また、ステアリングが固定された位置では、シリンダー内にオイルが閉じ込められた状態が保たれる構造です。直進性の維持には、小型の円盤一部分が凹んだものを、弱い(鉄棒に小さな滑車が付いている)バネで押している簡単なものですから、「形だけの、気持ちだけの」ものです。実物を見ると笑ってしまいます。前項[ギヤ・セレクト・レバーの操作と作動]の2番目の写真に見えます。CXのような強力なものではありませんから、停車していたらアシスト無しに近く、走行時はステアリング・ホイール径と細いタイヤ径に頼っている部分が多いと思います。
 現在のパワステを基準に考えたら、走行していない限りパワステ付きなの?とキット言うでしょう。ステアリングをいっぱいに切った時に、180でもフェンダーにタイヤが当たるので、185以上のタイヤをはくのは如何なものでしょうか?北米では205とか聞くのですが・・・。
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by citroenDS | 2005-03-13 14:07 | DS の整備と解説
[ シトロエン・DSカタログ紹介 ・1]
 ルーブル美術館主催の「シトロエン・グラフィック・アートと広告展」が開かれた、1965年秋の直後の1966年1月制作されたDSのカタログの良い所取りです。
Imprime en France. Delpire-Publicite.Paris. 1-66 DS 19/21 DAN
Societe Anonyme Andre-Citroen.133.quai Andre-Citroen. Paris.R.C. Seine 54 B9455.
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 これはXMKさんからのご希望に、息抜きのタイミングを合わせたものです。
 カタログのサイズは、縦;20.9 mm , 横;26.9 mmの見開きで、表紙はビニール・コート紙、本文左がこれらの写真です。私の好きなもので有名なものを選びました。
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by citroenDS | 2005-03-06 20:39 | DS/IDカタログ紹介