カテゴリ:DS の整備と解説( 168 )
[4速ギヤ・ボックスの輸入]
 エンジンを載せ替えて暫くするとニュートラルでのギヤ・ボクックスからの騒音が気になりはじめてきた。そこで、英国から輸入することにしたのだが、この選択は必ずしも正解ではなかったのかも知れない。その理由は、当時英国にはスラウ(Slough)工場があり、右ハンドルのDSを生産していたが当然MT仕様が主流であった。
 どう考えても右ハンドルのsemi-automaticDSを生産するのは、油圧配管を考えてみても馬鹿馬鹿しいことだろう。実際、私がパーキング・ブレーキのワイアを輸入したらば、周りを石綿で覆った部品がきた。排気熱の遮断の為であるのは解るにしても「無駄な話」のように思われる。とはいうものの、右ハンドル仕様のセミ・オートマのDSがある! その英国で油圧式ギヤ・ボクックスの中古品を探しても絶対数が少ないから、あまり良い方法ではなかったかも知れないが、とにかくも、結果オーライではあった。
 当時取り引きしていた英国のP,W氏はMT仕様の新品は持っているが、油圧式は中古であまり良いものでないとのことで、専門誌に「求む」広告を出すことになった。
 実際、私のDSは走らない訳ではなかったのだから、半年程が過ぎていたが5万Km位の程度の良いものが見つかったからと船便で送られて来た。大きな木箱の中は、使えるからとドライブシャフトが一対、パワステ・ラックなどで一杯であった。

■コメント
 台車の上に載せて木製枠で固定する。ギヤ・ボックスの蓋は11mmボルトで締められているが、このボルトには3種類あるので記録しておくほうが良い。既に、このギヤ・ボックスはきれいにスチームクリーンされていたから、普通にはそのまま載せるだろうが、私の常で回転ブラシとレクトラクリーンで「ピカピカ」にして、シールコートで仕上げる。ボルトの頭の錆も当然おとす。全てを完了するには2週間は要した。
 車に載せれば見える訳ではなし、数ヶ月も経てば元に戻ってしまう無駄な努力だと解っていても、これが「趣味」というものだ! しばらくは台車の上に飾って楽しむのもプロには出来ないことだろう。
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□ 解説
 蓋を開けた内部の「写真」の如くにギヤ、ベアリング共に素人には実に確りした美しいものに見える。蓋は配管の関係で安定させるために90度反時計方向に回した位置に置いて撮影しているから、2組のスプリングの中間部が右側のフォーク軸の突起にはまるニュートラル位置である。
 油圧式ギヤ・ボックスはDS(DX)だけのものであるから、この際充分に勉強しておかなければならない。DS 23用はギヤオイルの注入孔が前上に新設されている。鋳肌にDX331 111 A と読める。
 油圧シリンダーは前側に2個で(1、3速用)、後側に3個(2、4速、後退)である。ギヤ・セレクター用の配管(ドライバーまで)は長いが、他と異なり全て「銅メッキ」がしてある鉄製であるのは、5本が1組のシール・プレートに「蝋付け」であるからだろうか? この油圧シリンダーは言うまでもなく、手でギヤ・チェンジをする代わりに油圧によりピストンが働いてくれるものです。
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◆ アドバイス
 運転席のギヤ・セレクターからの長い油圧配管5本は、ギヤ・ボックスの蓋の左側前上で各油圧シリンダーからの配管に接続されるのだが、5本まとめて面接続(シール・プレート)される特徴がある。このプレートは2枚あるから(前2本と後3本が別になっている)シール・リングは10個がはめ込まれているので「一回で決まるとは限らない。シトロエン純正よりもJ.B.M製のほうが成功率が高いことはパイプシーの項で書いた理由のように考えられます。「写真参照」
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 ギヤ・ボクックスのふたとギヤ・セレクト・シリンダーとの間からギヤオイルが滲む時には、固定ネジを緩めてギヤの山数を記録してから1cm程回して抜き出して、水道の水漏れ補修用の白テープを巻いて元の位置まで締め込んで固定すると止まる。
 蓋とボックスとのシール剤はCURTYLONが指定だが、バスボンドで問題はない。
ギヤ・ボックスには後述するクラッチ・ロックやクラッチ・シリンダーが取り付けられるので、"D" model No 639/5より[ Piston of selector fork shafts ] の図にD31-4[Clutch Lock]の断面図も載せておきます。
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○ ギヤ・ノイズに就いて
 ニュートラル時のノイズはこれで解決したが、原因はプライマリー・シャフトにネジ込まれているドッグ・ナット(スターター用のクランク受け)が、何と外れているので、このようなことは普通考えられないから参考にはならないだろう。
 一般的なギヤ・ノイズは4速でのものであり、ダイレクトでないからで「ノイズは
あっても、無くても」正常であるとのA.Brodieの意見が正しいと思います。
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by citroenDS | 2005-02-01 15:46 | DS の整備と解説
[SUSPENSION SPHERE 解説]
SUSPENSION SPHERE 解説
 [サスペンション球]には分解式である(screwed together type)と、溶接式(welded type)とがある。 DS の 99.9%は当然古い分解式であるが、私の '74 年後期の DS 23 pallasでは溶接式が付いていた。前が 500cc で 69 bar、後が 500 cc、26 barの CX-Type であった。 この時期は CX と同時生産していたから、DS の最終版には溶接タイプが装着されたものと思う。
 一般的に考えて、車の性能が向上すればダンパーは強化されるであろう。DS もその 20 年の歴史のうちで同様の変化があったと考えられるから、私は CX 用を使うことで不安定さを解決しようと考えた。
 CX 用の球は、前が 75 barであるが圧は高いほうがバネは柔らかくなるから問題は無く、ダンパーが適当であるかが肝腎なのです。 実際には心配するほどのことはなく、私の望むレベルで安定した挙動を得られました。ダンパーのセンターホールをマイナス・ドライバーで叩き小さくしましたが、その後の乗り味で本来 CX 用に戻して、この10 年間満足しています。
 [サスペンション球の物理学] 球(スフェア)の内部にはゴム製のダイアフラムとそれで隔絶された高圧窒素ガスがあります。車重は前後4個のダイアフラムの総面積で支えられていると考えられますが、
前後のサスペンションのテコ比がかなり大きいので、前後の球の内部では約半分の容積に圧縮されているでしょう。 (この計算はサスペンションの項で、詳しく論じましょう。)

■コメント
 サスペンション球の内部の窒素ガスの圧力はゴム製ダイヤフラムを窒素ガスが通過
するので徐々に低下して約 3 年で交換するか、分解式ではダイアフラム交換と再ガス封入をする必要が生じます。これはガスが負荷で強く圧縮された状態が続くからです。使用しない状態で保存すれば、10年以上まったくガス圧は低下しないのです。 この事はご紹介した J.B.M. の Don James も記載していますし、私自身 GS, DS で経験しています。
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◆アドバイス
  写真にお示ししているように、私は車庫にシトロエンを停めると直ぐにメインフレームの4角にジャッキ(市販されている太い排水用エンビ管)をかって油圧を全て抜くようにしています。勿論、メインアキウムレターも同様です。 (この事は後でメインアキウムレターの項で述べます)
 負荷圧力を除去するのと同様に、車高を MAX. にするのを出来るだけ止める事です。理由は、スフェアに最大圧 (140 bar ) が掛かり内部のガスが最大に圧縮されてしまうからです。
 以上の注意をすることで、あなたのハドロニューマチック・シトロエンのスフェアの寿命は確実に 2 倍に延びるでしょう。 また直ぐにストック用のスフェアを購入して保存するべきです。
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by citroenDS | 2005-01-22 01:02 | DS の整備と解説
[スフェアの着脱]
[スフェアの着脱]
 スフェアを取り付けるには、特に工具は必要ではない。サスペンション・シリンダー等の側はアルミ製であるから、鉄製のスフェアを静かにゆっくりと手で廻してねじ込めばよく、最後まで両手で確りと締めれば充分である。従って、写真に示す工具類は原則的に言えば取り外す時に使用するものである。
 「首シールが良好であれば」手で廻し締めるだけで、決してオイル漏れは無いのであり、もしも漏れるようであれば、首シールが不自然に噛み込んでいることを調べる必要がある。首シールはシリンダー側の溝に先に入れておくことである。

■コメント
 高圧のオイル漏れを止めるには、力で締めて止めるものではなくて、その内圧によってシールを圧迫して変形させて止めるものであることを理解するべきである。
 写真の工具類は皆オイル・フィルターを廻して外す「フィルタ・レンチ」である。
左側が「チェーン式」右側が「大型のレンチ」で中央は一般サイズのレンチの曲がりを少し伸ばした私の自作である。これで廻る限り(普通は廻る)一番使い易い。周囲に余裕があれば私は右側の大型レンチが力が入り易くて好きだ。柄が長くガッチリしている。

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◆アドバイス
 重ねて記載するが、決してレンチで締めてはいけない。手で締めるだけにすること!!!
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by citroenDS | 2005-01-20 03:47 | DS の整備と解説
[フロント・ブレーキ]
■コメント
 DSのフロント・ブレーキは大量生産車としては初めてインボード・ディスクブレーキが採用された画期的なこととして知られています。ディスクブレーキですから他にはJaguar D-typeがあっただけと記憶しています。
 インボードということはトランスミッションに取り付けられているので、バネ下重量ではなくなりますから、DSの場合のようにディスクは直径30cmという大きなもので、キャリパーも大型の頑丈なものにすることが出来るのです。しかし、インボード・ブレーキの場合には負担はドライブシャフトにきますから、高価で車体の軽量化とは逆になる贅沢な設計です。
 「大車林」によりますと、設計上の制約や放熱が悪いといった問題があり採用された車は少ないと記載されています。しかし、シトロエンではこの時期には2CV, DS, SM, GSと全てのモデルに採用していたのは異例と言うべきでしょうか。
 CXは、さすがにエンジン・ミッションのレイアウトから採用できなかったのでしょう。 シトロエン社の経営問題もあったでしょう。しかしながら、DSのオウナー達はCXのアウトボード・キャリパーが、ブレーキを踏むと「開いて」しまうのを見て驚いたものでした。
 これらの、フロント・ブレーキ関係に就いてのCitroen-No611の図は、3-394/3/4,/5. [Front Brake Piping]に記載されていますが、これらはそれぞれID, D-super, D-special, DXのもので,私がDSと呼ぶモデルは、hydraulical-automatic-transmissionを載せているものですからDXと分類されている3-394/5になりますが、Hydraulical-automatic-transmissionではブレーキ配管はあまり意味が無く、ブレーキ系統から「キャブレター」と「ガバナー」への配管がより重要であり、これらによりクラッチ・コントロールをしている問題を無視してしまうように考えましたので省略しました。 また、フロント・ブレーキの分解図は4-451/1[Hydraulic-Front-Brakes] にありますが、これも写真でお示ししたほうが良いと考えました。(著作権の問題も考慮!)

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□解説
写真にはディーラー[S]工場でエンジンを載せ替えた時に撮影したものと、その3年 後に自宅ガレージでトランスミッションを交換した時のものがあります。配管がキレイなものが後者です。スチームクリーンだけでは汚れ落としに限界があります。
 新しく取り寄せたブレーキ・ディスク:parts number ,5405273,2枚で60ポンド。
 直径300mm、一枚の重量が6kgもあります。インボード・ディスクでなければ採用出来ない重量物です。CXのventilated-diskと比べると、その差に驚かされます。
 次に、ブレーキ・ユニット(キャリパーとピストン)は、トランスミッションに22mmボルト2本ずつで固定されています。これらのボルトは14kgmのトルクで締められていますから取り外すにはインパクトレンチが必要です。アルミ製鋳物に鉄製ネジを強く締めますと外す時に苦労しますから注意する必要があります。
 左右共に対角線にパイピングは残してありますが、ここまでピカピカに磨くには2日間を要しました。「写真参照」
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 ブレーキ配管は左側のユニットの右下に、右側は左下にそれぞれ接続されていますが、左側の三つ又ジョイントはサブフレムに固定されているので、これらの配管はコイル状に2,3回巻かれています。(ミッション側が振動するからです)「写真参照」
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◆アドバイス
 ここだけでも、パイプ・シールは、9mm用が10個以上使われています。 オイル漏れは無くて比較的楽に作業は進みますが、配管の汚れは一度は除去しておきたいことです。汚れの下は亜鉛メッキが落ちて錆が出始めていますから、レクトラクリーで 洗浄してワイヤーブラシで擦り落とします。キレイにしたら亜鉛塗料を刷毛塗りします。こんな作業はプロはしてくれませんから、シロウト冥利につきるものと思うべきなのです!

●参考
  DX( 油圧によるクラッチ・コントロール)では、キャリパーの左側上はキャブレータに接続されて、ガスを絞ってエンジン回転をおとし、キャリパーの右上はガバナーに接続されて、それぞれクラッチへの油圧をコントロールして、ブレーキ・ペダルを踏むとエンジン回転が落ちてクラッチが切れ、ペダルを離すとエンジン回転が上がって半クラッチになるのです。(勿論、上手く調整するのだが…)
*この問題は、DXのメイン・テーマですから、別項目で詳細に記載することにします。
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by citroenDS | 2005-01-18 17:03 | DS の整備と解説
[3-394/8[RETURN PIPING & OVER-FLOW PIPING]
◆ RETURN PIPING & OVER-FLOW PIPING.

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◆ 3-394/8 に対応するものであるが、油圧の掛っている [SUSPENSION PIPING] あるいは [FEED PIPING] といわれるものに対して、ここで取り上げるものには油圧は理論的にはゼロである。従って、パイプの材質はゴム、樹脂( Rilsan と書いてある) 配管であり、一部のみ金属配管である。リザーバー・タンクは高い位置にあるので、予想したよりも油圧が残っている事を考えずに、油圧はゼロと思い「大変なトラブル」に悩まされたことは後で書こう。 メイン・アキウムレータからのリターンが最大の油量であり(cut-out 時には高圧ポンプからの全量になる)、その他はサスペンション・シリンダー、ハイトコレクター、ブレーキ回路からの少量のオーバーフローである。これらのオーバーフローした LHM は汚れているから、リターンさせずに捨てている所もある。
 この図で最も興味があるところは、メインアキウムレータとレギュレータが私が変更した位置に記載されているように見える点である。

エピソード
 オルタネータを三菱製にかえたり、クーラーを付けたりしに知り合いの自動車用電装屋に通っていた時のことだ。ここは良質の中古品を完全分解して組み立てている専門店で車をレストアしている者には便利なところだ。エンジンを載せ替えた後でしばらく経っていた。
 何回か通っていたある日、そこの駐車場で LHM が大量に漏れているのに気付いたのだが、どこから漏れているのか「全くわからない」。エンジンの左側でレギュレータのあたりらしいが、自宅に戻って落ち着いて調べなければと思っても、DS の悲しさ!LHM が漏れていては「自走が出来ない」。取り合えず、ワイフにゴルフで牽引してもらうことになった。それにしてもブレーキが効かなければならないから、LHM を注ぎ足しエンジンをチョット掛けては止め、注ぎ足してはとを繰り返しながら、やっとのことで帰宅した。牽引するゴルフは前輪を浮かせながら、こちらは追突しないようにでハラハラであった。DS の一番前のサブ・フレームは少し曲がってしまっていた。
さて、どこから漏れていたのであろうか?

 リザーバタンクに LHM を入れてエンジンをかけると、車高は上がるがレギュレータが cut-out になると、そのあたりからボタボタ漏れてくる。そこで先ずレギュレータを疑うことになった。リターン・ホースを外して、ホースの接続部を分解してシールを交換した過程が下の写真であるが、特に問題点は発見できなかった。
 いろいろいじっている内に、ふと、リターン・ホースを詳しく点検してみると、縦に亀裂のあることを発見した! 今回はレギュレータ本体とゴムホースとは癒着していなかったから、恐らくエンジンを載せ替えた折りにはマイナス・ドライバーでこじって外した時に出来たのであろう。
 それにしても、油圧ゼロとの先入観から全く疑いもしなかった所からオイル漏れが発生しているのを見逃したのだった。
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◆ アドバイス

 一度外したゴムホースは、決して再度使用してはならない。少しばかりのケチがやっかいなトラブルの原因になる!
 cut-out 後の[高圧ポンプ→レギュレータ→リザーバーの回路]では、オイルの流量からしてリターン・パイプでも油圧はゼロでは無いことに注意するべきである。
このリターン・ホースは純正品であると¥9,000位しますが、一般の耐油ホースであれば良く、上手く組み合わせれば¥2,000位でおなじ結果は得られます。
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by citroenDS | 2005-01-13 05:50 | DS の整備と解説
[パイプ・シール]
 高圧配管の接続部分に必ず使用するシールで、用途により4種類ある。
写真上のシトロエン純正部品(piece citroen d*origine)は多数配管の面接続用リングシールで1個が700円以上したものだが、もう古いので硬くて交換が1回で決まらまいことが多くて使用していない。その他はいずれもJ.B.M.製で、特にリングシールをスーパーシールと称しているが名に恥じない優れものである。いずれも1個1$である。
 袋にM9、M12、M14と緑の円形シールに書いてあるが、M9が一般の4,5mm配管用で9は使用するレンチのミリ数である。M12が高圧ポンプ用、M14がブレーキ・アキウムレータ用である。何故、ブレーキ・アキウムレータ配管が特別のサイズなのか不明だ。

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◆ アドバイス
これらのパイプシールを交換する時に古いシールを取り出すには、先の尖ったピン
セットが必要である。ネジ溝に圧着されているので中々取り出せない。
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by citroenDS | 2005-01-11 00:16 | DS の整備と解説
[スーパー・アキウムレータの作製]
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[スーパー・アキウムレータの作製]
 メイン・アキウムレータは400cc:65barですが、これを500cc用を改造して作製することをいうらしい。(外国の資料による)500ccの球を何を使うのか書いてないが、CX用は圧が違い過ぎるので安全かどうか心配なのでBX-front用を使いました。
 先ず、6mmドリルで中心の軸を削っていくとダンパーの下側が外れる。その後、ダンパーの8個の穴を拡大していくとバラバラになる。そして内側のダンパーとシャフトが出てくる。これで内部の削りかすをレクトラクリーンで洗い出せば良いのだが、外ネジの内側ダンパーをかしめている部分を3mmのステンレス用ドリル刃で3個所掘って完全にダンパーを除去した。
 「写真のように内部は全く同一」である。蓄油量は3倍になった。スフェアのネジ部分は鉄であり、相手側はアルミであるから断端の処理には注意する必要があります。
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by citroenDS | 2005-01-08 19:40 | DS の整備と解説
[メインアキウムレータとレギュレータ]
◆ Main Accumulator & Regulator
◆ 解説 

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 DSのアキウムレターとレギュレータの位置は写真に見るように、エンジン左前下にあるので、エンジンの熱を受ける上にアキウムレターの圧が減って、アイドリング時でも常に、カチン、カチンとON,OFFを繰り返しているものが多いようだ。 実際このような状態であってもメインアキウムレターを交換するのが非常に手間が掛るので、放置されているようである。 (レギュレータにより cut-in:140bar; cut out:170barと規定されている)
 手間が掛る理由は、リフトアップしてもアキウムレータを廻す工具が入らないからである。 その為にアキウムレータ本体にノミをあてて叩いて廻しているのが実状であるが、海外の整備書にも[don't use a chisel] と注意されている。 スフェアにせよアキウムレータにせよ、高圧爆弾であることを忘れるな! ということである。 床に落としたり、ノミで叩いたりして鉄球にひびが入れば爆発し大怪我をする危険があるからである。
 私は始めは取り付けネジとパイプ留めをはずして下におろして、床上で廻して外していたが、これもなかなかの仕事である。シトロエン社が、どうしてこの場所を選択したのか理解不能である。
 これを移動する試みはアメリカの[HOW CITROEN:J.P.CHASSINN]には、これらを右側のサブフレームに移動したメリットが紹介されている。
 私はトランスミッションを乗せ換えた折りに、この左前に取り付け用のネジがきられていることを発見した。事実、インジェクション・モデルではそこにあるのだから、全てのモデルで移動するべきベストポジションであると私は決定したのです!!丁度、アンダーパネルを取り去ることに決めたので直ちに実行した。下の写真のようにインボード・ディスクへの冷却風取り入れ口の奥であるから、良い事ずくめである。この変更作業の為には前に述べた「寸法を測って配管を特別注文する」のと、耐油ホースなどを用意する(LHM用である必要はない事などは後述する)。

◆ コメント
  非圧縮性流体であるLHMは高圧ポンプで圧入が終わりレギュレータがcut outになるとショックが発生するが、これを「ウオター・ハンマー」と呼び関連部品を破壊することは一般的に知られている。従って、この場合には高圧ポンプにクラックを発生させるので注意が必要である。 DSのポンプはアルミ製であるからJ.B.M.では鉄製に改良したものを販売している。(古いポンプと交換で5年前に$250だったから、あまり変わっていないと思う。(円高は有利だろう)

◆ アドバイス
 メインアキウムレータの内圧が減って(flatという)数秒に1回 カチンカチンいっている状態で平気で乗っている人が多いが、HPポンプにダメージが来てからでは遅い。不適当な部分は積極的に改良するべきであろう。
アキウムレータの状態が良いか、悪いかはbleed screwを緩めてピーという蓄圧されている作動油の流出音の長さで量を知っているとよい。エンジンを止めた後で何回ギヤチェンジができるかでも判断できる。
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by citroenDS | 2005-01-08 02:07 | DS の整備と解説