[ Clutch Cylinder の分解整備 ;(Ⅰ) 年式と構造の違い?]
◇コメント
 丁度 1 年前、(2006-07 に Hydraulic Control of Gear-Box & Clutch の日本語訳 ) との長い記事を掲載しました。その後、ゆっくり和訳を修正して行くと書きながら、それほどの努力はしていないのが実情ですが、その記事の中では "Hydraulic Control" に就いてはかなり詳しいものでしたが、ふり返ってみますと肝心の Clutch-Cylinder に関しては何も触れられていないことに気付きました。そこで Clutch-Cylinder の構造を調べてみました。
 Parts Catalog. No.611 や Autobooks で調べてみますと以下のように、いずれも Ring-Seal が書いてあります。 Autobooks では「ご丁寧にも」 Cylinder 内面に溝があるようで、 Mandrel A にてキチント押し込んでから Piston を入れるように書いてあります。
 また、'72 年以前の Model では Brake-Cylinder のような Piston では無い図が書いてあります。以前分解した時の記憶では Ring-Seal など無かったように思い、Spare Parts を改めて分解して構造を確かめてみました。「論より証拠」でしょう。
 また、 Return-Spring の働きに就いても検討しましょう。少なくとも、 Return-Spring for Piston と云う前に Piston が油圧で前進して、恐らく Spring を収縮させながら Rod を介して Clutch-Fork を押して Clutch-Engagement を「切って」いることは確かなことなのです。Re-Engagement の前に De-Engagement を先に考えるべきでしょう!Return-Spring の「伸展」よりも前に「圧縮」を考えるということです。
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'72 年以後の Model の図として記載されていますが、それ以前の Model のものは、Return-Spring 等無く、 2-Ring-Seals になっています。初期のものは Clutch-Control の方法が違っていましたから、当然 Clutch-Cylinder も違っていたのでしょう。
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Autobooks からですが、明らかに Piston:4 の後側に Ring-Seal:5 が記載されています。しかし4 の間には Return-Spring (強力で長い) が記載されていません。 Cylinder には Ring-Seal 用の溝が書いてあります!!!ところが、実物には Cylinder にも Piston にも Seal 用の溝など無いのです。 Brake-Cylinder には Piston に溝があります。しかしながら、図では Mandrel A まで記載されています!Nut と Cylinder の面:"a" と "b" は「面一」にして Pin で留めるようになっています。
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◆解説
 この写真は Gearbox を輸入した時に付いて来た「完全な」 Spare-parts を少しきれいにして撮影したものです。取り合えず載せたものですから、撮り直しをするかもしれません。
 兎に角、ご覧のように Autobooks の断面図とは違います。 Cylinder と Piston は精度良く造られており、 Ring-Seal の必要は無いようです。仔細に指で触ってみますと、 Piston が収まる長さ部分の Cylinder 壁が僅かに?「狭い」ようで、その上部は 1 μ?位「広く」感じます。いずれにせよ、 Ring-Seal 用の溝は存在しません。
 この強力な Return-Spring は "return" の為だけでしょうか? Clutch ですから「戻り」は急速でなくても良いのですし、Mechanical-Clutch にはありません。他にも Pressure-Plate や Fork に return 作用はあります。しかしながら、もしも Clutch-Cylinder 内部に Spring が無ければ Nut と Piston は作動する度にぶつかってしまうでしょう。その意味からは Spring の存在理由はありますが、それだけでは無いでしょうから、 Clutch-Fork を押す力を control している?と考えているのですが・・・ Spring の「強さ」と「圧縮時長」を測定してみる必要があると思いますし、そこからこの Spring の意味が明らかになる気がするのです。
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Clutch-Cylinder の構成部品です。 Suspension-Cylinder と同様に Piston 内部は深く削りこまれています。その Piston の底部から外側まで Rod は全体が入っています。当然、Piston の動きを伝えて Clutch-Fork を押して Clutch 接続を「断」つのです。 Clutch-Cylinder の底部で、油圧配管からの通路が「矢印」のように「削り込まれて」います。従って、これも Autobooks の図とは違っています。
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Clutch-Cylinder の中に Piston を挿入した所ですが、LHM を付けて丁寧に入れます。この写真のように Ring-Seal を入れるような溝は切られていません。 Piston の内部はかなり削り込まれていることが解ります。 Piston が収まった上縁部から上部が「ほんの僅か」に広くなっています。(1 μ !) Piston の中に Spring は入ります。その後 Nut を Cylinder 上縁に合わせてねじ込みます。 Nut には4 個の孔が開いており Cylinder の溝と合わせて Pin を入れて固定します。本来は「面一」ですが Clutch-Cylinder の溝の幅からは、Max 5mm の範囲で調整可能です。( Piston の動く範囲の調整になります。) Push-Rod は free で Piston の動きを Clutch-Fork に伝えます。 
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* 結論: 1) Ring-Seal は存在しないこと。2) Return-Spring の働きに就いては、どこにも述べられていない上に Mechanical-Clutch-Control から考えると「無くても良い」だろうと考えられます!!!
*** all photographed by IXY Digital 30. ***

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by citroenDS | 2007-07-31 20:09 | DS の整備と解説


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