[ DS の CAMSHAFT & PULLEY の強度を考える ]
[ DS のカムシャフトの問題点 ]
◇コメント
 DS の補機類への出力軸はカムシャフトであることが、普通の車とは異なる「特徴」になっていますが、これは DS のエンジン・トランスミッションが普通の車とは前後逆に搭載されているからです。このことは最初からデザイン上の問題を解決する為であったとしても、DS の最大の「弱点」になっているのです。 本来が Cam for HP pump, Water Pump & Pinion と書いてありますように、負荷の大きくなったオルタネーターやエア・コン用には設計されていないのです。この問題は CX になっても改善されませんでした。
 出力軸はエンジンの最後部(室内に張り出している) に於いて、カム軸はダブルのタイミング・チェーンでクランク軸で駆動されているのですが、その回転比に就いては別項にして記述します。
 今回は "DE" エンジンを紹介するチャンスに恵まれましたので、"DX" エンジンのカムシャフトに就いて考えてみる機会にしたいと思います。
 Mr.Jerome のブログ ( id 19p.over-blog.com.) の写真を見ていましたら、カムシャフトとプーリーの接続は 1 個の凹凸で噛み合い、ボルトとワッシャでネジ留めされていました。なるほど、Traction Avant のエンジンに近いものだなー DE エンジンは・・・と思っていた所、カムシャフトを見ると CX のものに似た「均等な歯」( スプライン)が付いた写真がありました。そこで「これはどうしたことなのだ」と質問し確認しました。彼は親切にもわざわざ「私のブログ用」の写真に説明まで入れてメイルに添付してくれたのです!彼は英語があまり得意ではないと自分では言っているのですが、私だって大したことはなく「同じ程度」です。
 結論を先に言えば、古い "DE" エンジンではカムシャフトが二分割されており、プーリー・シャフトがギヤ・ボックス・ハウジングの部分で差し込まれて 1本になっていますが、カム・シャフトというものが 1本の鉄の棒ではなくて、多くの部分の集合体ではないか?と考えることになります。そうなると "DE" も "DX" も無く「出力軸」として根本的に「不適当」なことになるのです!

 そこで「大車林」で「カムシャフト」を調べてみました。バルブを作動させるために円盤の一部に突起を設けた部分と、ジャーナル部( 回転軸部分 )とを軸部で連結した回転軸。軸の前端や後端、あるいは中央部に駆動用のスプロケットやギヤを取り付けるフランジ部がある。クランクシャフトと同期して回転し、この突起部( カム部 )でタペットやロッカーアームを介してバルブを開閉する。 4 ストロークエンジンではクランクシャフトの 2 分の 1 の回転速度で常時駆動される。( 後略 )と記載されていました!
 何と私は「馬鹿な質問」を Jerome にしてしまったのだろうか? どおりで、カムシャフトを調整する機械と思われる写真が何度も出ていたのだ。 結局は、軸部の強度を議論しているのであり「出力軸」として不適当であるとの問題には何ら変わりはないのです・・・

c0019483_1918690.jpg

▲ 1:Camshaft. 10:Water Pump Pulley. 11:Bearing Hausing. 12:Pulley Nut. 17:Searing Bush.
** Owners Warkshop Manual には、Pulley の前後には Washer が記載されています。 *この項は当 BLOG: 2005-05-04 を参照して下さい。▲

◆解説
 CITROEN: MODELES"D" 1972, 661 TOME 1 から、私達の知っている DS エンジンのカムシャフト付近の図の前半部分を載せました。この通りであることを私の DS 23 のエンジン写真で示しましたが、この図ではカムシャフトは 1 本で造られています。つまりカムシャフトの先端にプーリーが直接に取り付けられています。これは全ての DX エンジンで共通であることは CITROEN 19,20,21,23 Owners Workshop Manual Autobook 742 に記載されています。この本が 100% 信頼できるとは言いかねますが、少なくともディストリビューターがエンジンの最前部にあるエンジンでは「同一」でしょう。 そうは申しても、これらのエンジンでも後部にはディストリビューターがあった場所には「蓋」がしてあるのですから DS のエンジンの古さを「改めて」感ぜざるを得ません。 従って、カムシャフトの強度不足を、プリーやベルトといった「より安価な部品」が壊れることによって「吸収」していると考えられます。これは SM の特殊な「スリップすれば溶ける」ベルトによって重要部分を守っているのと同様でしょう。
c0019483_19185257.jpg

▲カムシャフトの歯の幅を広くして「強化」しているものと解せられます。 2005-05-04 の記載の通りにワッシャを入れてナットを締めた方が PULLEY の回転の安定と強化が期待されます。このベアリングは NSK ですが、フランスでは相変わらず SKF でした。▼
c0019483_19191486.jpg

▼エンジンの載せ替えのときに S ディーラーの工場長が「カムシャフトを見れば」エンジンの良し悪しは判ると言っていました。私の DS 23 エンジンです。▼
c0019483_20451949.jpg

▼ Mr.Jerome BECE が送信してくれた写真で、自分の BLOG には矢印の表示はないので、私の為に作ってくれたものだ! ディストリビューター用のピ二オン・ギヤがカムシャフトの後の方にだけあるのが解かる。カムは 1 気筒当り 2 個ですから 8 個あります。その他に前端部、中央部、後端部に軸を固定するジャーナル部、デスビ用のピ二オン・ギヤから成ります。恐らく、カム軸に後端部から順に挿入し固定されたのでしょう。 ← FRONT の先端に歯(スプライン)があります。
c0019483_19253319.jpg

▼ DX エンジンでは、このギヤボックス側=クラッチ・ハウジングの左上隅にはダストシールがあり、カムシャフトを通してから「写真上 2 番目」のよおにカム・ベアリングを入れる。 "DE"エンジンでは「写真」のよおに、内部にプーリー・シャフトの「受け部分」が見える。その前方にべヤリングを入れる。この汚い塊?が見事に新品に生まれ変わるのは見事だ!クラッチのスラスト・ベアリングもかなり「キャシャ」に見える。
c0019483_22301019.jpg

▼上の写真のギヤ・ボックスを上から見たところも「説明を入れて」送ってくれた。勿論、私のため用に「黄色」でプーリー位置を、カム・シャフトを入れる位置と方向も「赤」で説明書きを付けてくれたので良く解かる。
c0019483_22291893.jpg

プーリーとプーリー・シャフトには凹凸ではなくて、鉄片を打ち込むのではないかと見えるのです。当然、ベアリングが入っています。取り付けにはボルトとワッシャですので、"DX"エンジンに比べると「一層」強度は不足しているでしょう。 設計上ではカム駆動のシングル・高圧ポンプでしたから、パワーステアリング用に 7-PISTON 高圧ポンプにしたのが「限界」だったのでは?と想像しますが・・・
c0019483_16523930.jpg
c0019483_1751040.jpg


▲上のような錆びた汚いエンジンや関連部品が、下のように新品のようにレストアされるのを見られる。この項の結論はプーリーとその軸との接続が、多くの歯( スプライン)では無くて「1本の凹凸」しかなくて、ボルトとワッシャとで接続されていることです。"DE"エンジンとしてはこれでよかったのでしょう。▼

( SEE SOON !! : Mr.Jerome's BLOG-PHOTOS: id 19p.over-blog.com. 2006-10-16 )

c0019483_1737197.jpg
c0019483_20312453.jpg



[PR]
by citroenDS | 2006-10-30 19:19 | DS の整備と解説


<< [ カムシャフトの出力軸として... [ HEAD-LAMP の種類... >>