注:左右反転しています↓ [ プレッシャーレギュレーター/メインアキュムレーターの位置説明がダメだ!] ◇コメント この部分は DS, ID 共に共通であるので、DS ベルリンを記載した 37 頁にのみ記載されています。この位置に付いての記載は「日本語になっていない」と思います。原文のまま掲載しましょう。"このプレッシャーレギュレーター/アキュムレーターユニットは、当初ラジエーター左側のフロントクロスメンバーに位置していたが、1960 年 9月にエンジンブロックの左側部へと移った。インジェクション仕様車ではギヤボックスの右側部に付いた。マニュアルギヤボックス車では、1970 年 7月にクランクケースの位置に戻った。" と記載してあるのですが、この文章を読んで書いてある「意味が解かる」方がどの位いらっしゃるでしょうか? ■解説 この文章を理解する為に、自動車用語を調べておいた方が良かろうと思いました。 1) フロントクロスメンバー:上の写真と略図を参考にして下さい。クロス・メンバーとは、エンジン・ルームのフレームを形成している両側面( ドライブ・シャフトが貫通している )を「サイド・メンバー」と呼びますが、これは DS のボディーを形成している「梯子型フレーム」からフェンダー分だけ狭くなって「ソリ」のように前方に出ています。このサイド・メンバーを 2 本の横に補強部材がありますが、一番前の「ブレーキ・アキュウムレーター」前方付近にあるものが「フロント・クロスメンバー」に当たります。より強力なクロス・メンバーはエンジンとトランスミッションとの間にあり、「後のエンジン・マウント」が固定されています。写真では「左端が後側のクロスメンバー、右端がフロント・クロスメンバーです。 2) エンジンブロック:DS では緑色に塗られている鋳鉄製の部分。エンジンの骨格となる部分でウオーター・ジャケットがある。 3) クランク・ケース:シリンダー・ブロックより下方で、クランクシャフトを取り囲むように設けられた壁面部分。シリンダー・ブロックと一体に形成されたものと、別体に独立したものとがあり、下部にオイルパンが取り付けられます。 ↓この位置に大部分の DS/ID では取り付けられている (クランクケースの前端部) こちら側が左側だ! さて、初期の DS/ID ではフロントクロスメンバーに取り付けられていたことになりますが、この下には同時期にはメイン・マフラーがあった筈です!1960 年 9月にエンジンブロック左側部へと移ったとありますから、例のフェンダーに換気用グリルが新設された時期でもあります。 フロントクロスメンバーに設置されていますと、エンジンの振動とは別の動きになりますので、太い配管をどのように処理したのでしょうか?後輪のブレーキ配管では「関節付き」の配管を使用していましたが、油圧レベルが 3倍程高いのでどうなっていたのでしょうか? ループを造って処理する以外には考えられませんが・・・この場所に敢えて設置した理由が不明です。 また、"マニュアルギヤボックス車では、1970 年 7 月にクランクケースの位置に戻った。"と記載してありますが、「どこから」戻ったのでしょうか? インジェクション仕様車ではギヤボックスの右側部と記載されていますが、左側の誤りです。 エンジンブロックとクランクケースとは、違う場所を指しているのでしょうか?このように「誤り」「意味不明」「説明不足」を今迄通りに放置しておくのでしょうか? ◎私の知っている範囲で説明しますと、1969年 9月に DS 21 IE が出来てオイル・クーラーがメイン・アキュウムレーターのあった所に設置されたので、追い出されたメイン・アキュムレーターがギヤボックスの左前に移動したのです。従って、良く解釈すれば DS 21 M IE (MT) だけが、どのような理由か知りませんがエンジンブロック=クランクケース (他の DS と同じ場所) に戻ったのでしょう。それも 1年経たずにです。DS 23 IE も 21 IE と同様にギヤボックス左にあったと思うのですが、如何でしょうか。CG/ORIGINAL本:写真のボルグワーナーAT でもギヤボックスの所にありますから多分同じでしょう。せめて、この位の説明はして欲しいものです。オイルクーラーを設置したということは、ラジエーターの拡大が限界に来たことを示しているのでしょう。これはラジエーター・ファン・シュラウドの長さが半分位に短くなってきたことからも想像できます。冷却系の説明に「オイルクーラー」が出て来ないのは説明不足でしょう!この分野は私はあまり得意ではありませんので、万一違ったらゴメンナサイ! ▲通常のメインアキュムレーターの位置は、後のクロスメンバーの直上で交換作業がとても困難です。私はインジェクション・モデルと同じ位置に( ギヤボックスの左先端部)移動しています。とても交換、点検が容易になります。この位置が BEST です。( 2005-01:参照 ) [写真左]のように全てのギヤボックスには 11mm ボルト用のネジがきってあります。インジェクション・モデルに出来たことが何故他の DS/ID には行はれなかったのでしょう? from : Le DOUBLE CHEVRON; No.18, 1969, Autumne ↑DS 21 IE . Electronic calculator(1), Oil cooler(15)
by citroenDS
| 2006-09-09 20:34
| Citroen 資料紹介
|
by citroenDS [ このブログに就いて ]
-Part-1-
◆ このブログはDSの整備、修理、広報誌 Le DOUBLE CHEVRON 、カタログ等の資料から[ DSの全て]に就いて解説をしています。 ▲保有資料は日本最大です。 ▲ 自分のDS23 Pallas '74の写真も紹介していますので、ご覧下さい。 ▲ミニチュアカーも貴重な資料として解説しております。 -PART-2- ◆ 平行して my "MINIATURE CAR COLLECTION" を載せていますので、[カテゴリ]の★-目次-☆を活用して下さい。 カテゴリ
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