◇解説 DS 19 Berline の発表後3年にしてCHAPRON製 CABRIOLET は登場しましたが、シトロエン社のカタログ・モデルとしては 1960年10月から 1971年8月までの間のっていました。 CHAPRON 特製のものに対して"USINE" <manufactured> CABRIOLETS と呼ばれていました。 その数は、CABRIOLET- IDの総数が 106 台、CABRIOLET- DSが 1,219 台です。 ID + DS = 1,325 台です。 その台数/年の一覧は:台数/年:ID:1/'60, 32/'61, 28/'62, 34/'63, 5/'64, 6/'65 で総数:106台で以降は0です!本来なら、1966年からベースの「ID の質」が上ったのですから不思議ですね。 DS:130/'61, 181/'62, 207/'63, 179/'64, 121/'65, 124/'66, 82/'67, 95/'68, 47/'69, 40/'70, 13/'71で総数:1,219台で終了します。如何に IDベースが少なかったかが解かりますが( 8% )、IDベースのものは1965年までですから、いくら格好は良くてもアシストがブレーキにも無しですから売れる訳がありませんが、格好だけで買った人が 8% はいたのです。現在この年代のモデルは残存していないようですので心配する必要はないのですね。 DSでは大部分の強度はプラットフォームが担っていたので、CHAPRON は既に1958年より独自の Cabriolet, Coupe 等を(名称から北米輸出)製作していましたので、シトロエン社のために高級な Cabriolet を造るのは簡単なことでした。JAVEL工場で[写真-1]のように車輪の上に大部分を組み上げて、段ボール箱に小間物をつめてJAVEL から LEVALLOIS に自走して運ばれ、受け取るやいなや表示ナンバーと保護材が取り付けられました。そんな状況でしたから、Aristide Briand street 付近の人達はプラットフォームだけの車が走っているのをしばしば見かけたのでした。 車の中央で「十字はり」で補強されて2分割され、ウインド・スクリーン、プラットフォームは鋼管等で溶接補強され、後半部分は[写真-2]のように外皮部分が一体で組み立てられています。 後半部分は6部品(2つの「はり」と、各2個の部品から成るリヤーウィング)から成り立ちます。[写真-3]で白いテープが貼ってある所が、溶接して研磨し、防錆をした部分です。後席の為のヘッド・クリアランスを確保する為に、142.5mm の「はり」が左右間でスライディング・トップカバー・プレイトを支えています。 それぞれのドアーは Berline のものよりも 18cm 長いので、2枚のドアーから1枚が造られています。トランクの蓋はグラスファイバーで強化されたポリエステル製ですから、ヒンジで位置決めの時に注意しないと「ひび割れ」を作ってしまいます。 色合いの組み合わせは、塗料の15色、シート内装11色、メタリックで 76 種用意されました。塗料は AC 110:Black sand, AC 111~114:Grey imperial, Grey sahara, Grey silver, Grey pearl :AC 144:Carrara marble white,: AC 416~418:Rubby red, Corrida red, Coral red, : AC 519:Forest green, : AC 618~619: Evening blue, Antarctic blue, Royal blue. です。1970年モデル:AC 093:Swan white が1971年モデル:AC 088: Meiji white が追加されました。 Cabriolet の場合には、その年代と形状から、[Restration]「修復」 ということはありえませんから、全て[Reconstruction]「再建」 となりますので、かなり高価なものとなるでしょう。当然、補強したウインドシールド部分と新設した幌を収納する部分が弱点ですので、自動車として重要な所は無く、Cabriolet の製作に関与した職人は少数でしたから、製作中止後もレストアと称しては再製作をしていたようですので、どうも「秘密の部分」を持っているようです。 このようにして造られたのですから、2台のBerline DSから1台の Cabriolet DS を造っても「商売になる」ので、Cabriolet には「2こ1」の「贋物」が多いのは常識になっています!! *from: Journal des Amateurs de Vehicules d'Epoque et de Loisirs :No1&3,1981: Correspondant-Japan: T.Hagino: 当時、私が日本シトロエンクラブの会報を発行していましたから、この企画に関与して50冊ほど会員に無料送付しましたから、多くの方々が持っている筈です! *総生産数が、WIKI;1,375台、CAR MAGAZINE;1,365台で、TOUTES les CITROEN ,Le DOUBLE CHEVRON, QUAI de JAVEL Ⅰ、Ⅱ等に記載がないので製造数年表をしばらく載せておきます。 *デンマークのクラブ製作の30周年記念誌でも ID;106, DS;1,219と同数です。
by citroenDS
| 2006-05-17 16:12
| Citroen 資料紹介
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by citroenDS [ このブログに就いて ]
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◆ このブログはDSの整備、修理、広報誌 Le DOUBLE CHEVRON 、カタログ等の資料から[ DSの全て]に就いて解説をしています。 ▲保有資料は日本最大です。 ▲ 自分のDS23 Pallas '74の写真も紹介していますので、ご覧下さい。 ▲ミニチュアカーも貴重な資料として解説しております。 -PART-2- ◆ 平行して my "MINIATURE CAR COLLECTION" を載せていますので、[カテゴリ]の★-目次-☆を活用して下さい。 カテゴリ
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