[DSの油圧システム:Q&A](2)サスペンションとブレーキ
□コメント
 検索をしていましたら「ブレーキを踏むと,制動灯が点いたり、点かなかったりで完全に点灯するにはかなり強く踏む必要があり、同時に後輪が5cm 程下がる・・・」との記事がありました。そこで[サスペンションとブレーキとの関係に就いてのQ&A]を再度書いておく必要のあることが解りました。
 DSのブレーキ装置に就いては、既に[BRAKE PRESSURE DISTRIBUTOR](2005-03)に記載していますので、今度はSMのものを掲載しましょう。これらは全く同一の装置ですが、DSのものとは上下逆である点は、前サスペンション・アームが逆であることを思いだして一層興味があります。理由は単に運転席の高さの差異によるだけです。
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 ここでも、ブレーキ・アキウムレータのボール弁に注意して下さい。決して前サスペンション方向えLHMは流れずにブレーキ回路は独立しています。
ここでは、ハイドロニューマティック・サスペンションやハイトコレクターのことは、もう解説はしません。

Q-1:二玄社、シトローエンには「前輪ブレーキの油圧もフロント・サスペンションと連結されたことである。これにより、ブレーキを踏むと前サスペンションの油圧が高まり、ノーズダイブを抑えることができる。」と書いてありますが如何なものでしょうか?
A-1:解説
 コメントで述べましたように、一方向弁ですので上記の記載は完全な誤解です。ブレーキ系と前サスペンションとは全く無関係です。

Q-2:同様に、制動時のテイルリフトをハイトコレクターによって修正出来ると以前にディラー等が解説していましたが、そうでしょうか?
A-2:解説
 ご存知のように、ハイトコレクターが作動して車高を修正するまでの時間は少なくても数秒は掛かりますので、これに期待するのは無理なのです。当時はディラーの説明に影響されて、専門誌までこんな事を書いていました。
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Q-3:DS(SM)のブレーキ系の特徴は何でしょうか?
A-3:解説
 コメントの中で記載しましたが、後輪ブレーキは後輪のサスペンション油圧を使用しているだけでは無くて、もっと積極的に後輪油圧をシリンダーに掛けて、ブレーキ・ペダルの支点をローラー移動させて、一層後輪ブレーキ圧をコントロールしているのです。[イラストを参照]

Q-4:それでは、コメントに記載してある「ブレーキを踏んでも、制動灯がつき難いことや、ブレーキを踏むと後輪が5cm も下がる」理由は何でしょうか?
A-4:解説
 イラスト(下)のように、ブレーキ点灯用のスイッチが油圧により作動しますので、後ブレーキ系=後輪サスペンション系に、どこかでLHM漏れがかなりあることになります! 後輪のテコ比を考慮し、サス・シリンダー径から計算しますと、1回に10cc 以上の漏れになります。理論的と言っても、このようなDSが存在するとは思いませんでした。
 油圧配管がかなり長いことや、ブレーキ圧分配系(イラスト)、後輪フェンダーのハイトコレクター・カバーを開けたり、当然ブレーキの分解等かなりの作業になる可能性があります。簡単な場所からLHM漏れが見つかることを祈りますが・・どちらにしても、DSは全ての部分を点検修理するのが「本筋」です。DSのオーナーは「その覚悟は必要」でしょう。
 ちなみに、私のDSではブーレキ・ペダルに足が触れる程度で制動灯は点きます。前ブレーキ圧で作動すると思っていましたが、この例から、後輪ブレーキ圧によっているようです。勉強になりました。
◇追記:ハイドラクティブ・サスペンションで、高速時に4輪が独立した場合には(左右関連が無くなった時)エネルギー源が無くなりますので、アクティブ・サスペンションの定義から外れると考えられます。
●資料:CITROEN SM :DESCRIPTION TECHNIQUE: Acheve d'imprimer en decembre 1971.
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by citroenDS | 2006-03-01 23:21 | DS の整備と解説


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