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[DSにクーラーを付ける]
□コメント
 DSにクーラーを付けたがるのは日本人と米国人だけだし、DSには付けるのは止めた方が良いとヨーロッパの連中に言われ続けていた事は何度も書いて来たことです。
私も始めは「そうだ」と考えて来ましたし、今となっては止めてオリジナルに戻そうかと思う時もあることは事実です。それでは、何故にクラーを取り付けたのかと言いますと、DSに乗り始めて暫く経った6月梅雨の頃、環8の小雨降る渋滞の中、全てのウインドウが曇って視界が確保出来るのが、運転席から手のとどく範囲になった時には「いささか危険だ」と思いましたし、この解消の為にDSのサイドウインドウを少し開くと、ルーフに樋の無い為とガラスが傾斜しているので、水滴が「革の肘掛け」にポタポタ入って来てしまうことに困ってからでした。勿論、この時期、この天候にDSに乗らなければならない理由が多々あるとは思いませんが、やはり日本では必要だなあと感じました。
 それでは、どうするかがテーマです。快適に過ごすとまではいかなくても、窓ガラスが曇ら無い程度の「湿気取り」には、どの程度の能力のクーラーが必要なのでしょうか? これはやってみなければ解りません。私の経験からの結論は(GSでの!)クーラー・コンプレッサーの馬力よりも、コンデンサーの能力のほうが有効であることでした。
 そこで、軽自動車用のコンプレッサーではどうだろうか?を試してみようと考えたのです。以下この「悪戦苦闘」を書いてみましょう。GSでの経験とは、GS-club 仕様にX-3 方式を装備してみたところ、シトロエン・クラブで一番良く冷える成績を獲得したのでした。静止状態で吹き出し口で測定して0℃を記録したのです。これは明らかにコンデンサーの能力に負うところが大であると考えます。GSでは冷えないので、過大なコンプレッサーを装備してしまったが、この原因はコンデンサーの位置と冷却ファンが無いと言える状態に設計してしまったからで、Club は失敗、Pallas も中途半端でX3で完成したのです。

■解説
1)先ず重要な条件があります。ギヤボックス(トランスミッションのクラッチカバー)に「写真」のようにコンプレッサーを支持するメイン・ブラケットを取り付ける為の11mm,4本ボルト用のネジ切りがあることです。全てのギヤボックス・カバーにある訳ではありません。むしろ少ない筈です。対米輸出用?にしかこの「ボルト孔」は無いのでは? と思います。私の場合には最初のギヤボックスにはありませんでした。載せ換え用に輸入したものにあるのを見付けたのです。それでなければ「あきらめていた」でしょう。否、せっかくクーラー装備用のギヤボックスになったのだから、付けない手はないだろう、と言うことです。取り付け用のブラケットは米国の部品屋が北米クラブにあり( DELLINGER AUTO SALES )ゴッツイ MADE IN USA を買って、日本で WADA-WORKS で取り付け部分を溶接加工してコンプレッサーに合わせました。カムフロアーでベルト調整をしています。

2)次に、3プーリーのウオーター・ポンプが普通には必要になります。このプーリーで大きな負荷のコンプレッサーを回すのですから、当然ウオーターポンプのベアリングの寿命は短くなります。本来取り付けるように設計されてはいないのですから、コンプレッサーの位置が不安定且つ外側前に過ぎるのです。私はこの欠点を如何に避けるかを検討しました。その結果として小型のコンプレッサーを後方で駆動プーリーに近くする改良条件を考えました。
 そこで決めたのが、高圧ポンプのダブルベルトの1本分を使うことでした。この場合には重要な欠点があります。プーリー径が小さいので回転が半分であることです。ウオーターポンプからですとエンジン回転と同一回転数ですが、高圧ポンプですとその半分になるのです。益々、コンプレッサー能力は低下します。これで冷えるのか? が問題です。しかし、プーリーへの負荷は非常に低下することになります。「写真」はDENSO製軽自動車用です。
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3)もう一つの問題があります。現在では汎用の室内機=エバポレーターがSANDENの1種類しか無いのです。それも当然右ハンドル用に作られています。普通の車であればそれでも使えますが、DSではエンジンが室内に出てきていますから、配管が左側でないと取り付けられないのです。従って、皆さんは前席の中央に立てて取り付けているようですが、私の美意識ではこれは許せません。
 さあどうするのか? シロウトの考えはひどく簡単なものです。上下を逆さまに出来ないのか?です。早速、分解して内部を見ると、何のことはない「排水孔」が無いだけで上下対称に出来ているのでした。「吹き出し口」の方向にやや難がありますが、使用できるのです。ここでも、「シロウトは強いよ」とプロに言われました。こうすれば配管は右側になりますから、エンジンルームからの配管は全く楽なものです。本来の換気孔から配管は簡単に入り作業も楽なものです。室内への不用な突出もなく「見栄えの良い」ものになっております。文句の付けようも無しですから、皆さんも試みることを、お薦めします。「写真」
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4)コンデンサーはラジエーター同様に、ほぼ同じ位の大型のものにして、以前の SKYLINE 用の「押し込み型ファン」を使っていますが、やや大型過ぎですがクーラーを使用すると水温が下がるので理想的です。真夏でも一人乗車では「汗をかかない」程度に冷えます。従って、所期の目的は達しています。

5)心配しました高圧ポンプの1本ベルト駆動は問題なく経過しています。万一のベルト切れの際も私のDSではこの周辺には何もありませんから、ベルト交換も容易にできます。
 軽自動車用で、且つ半分の回転数でも予想したよりも「冷えます」ので驚いています。実際、夏でも温度調整を高い位置にしていますと、OFFになるのですから立派ではありませんか! これが私のDSのクーラーの設置方法とその効果です。

※Mr.Ken と JAVEL さんの意見では、ラジエーターにコンデンサーを重ねると Overheat するとのことで、オリジナル方式であるヘッドライト下に設置したDSは心配ないそうです。ですから、GS-X3 方式への変更が私が今考えている理想です。
家庭用でも(インバーター式)大型でON-OFFするよりも、能力の少し低い機種を低電力で連続使用する方が電力消費も少なく気分も良いようです。
by citroenDS | 2005-10-08 23:09 | DS の整備と解説


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