[クーリング系の改造は可能か ?]
[クーリング系の改造は可能か ?]

■解説
 DSのクーリング系を見ますと、これで冷却気が入るのだろうか?との疑問を誰もが持つでしょう。しかしながら、車が走っている限り充分な空気は流入していると考えられます。事実、日本の真夏でさえ車が走っている限りオーバーヒートは滅多に起こりません。これは皆さんが一番良く知っていることです。それでは、シトロエン(DSに限らず・・・)にオーバーヒートが起こるのは、どんな理由からなのでしょうか?
 その前に「オーバーヒート」とは、どんな状態を言っているのでしょうか? これには意見の「完全な一致」があるとは思えませんが、この際一応の条件を示しておきましょう。(1)水温計が正確であるとして、常に120℃以上で(1気圧以上にラジエーター・キャップで加圧しているので、100℃以上で沸騰する)降下することが期待出来ない状況である。この状態では水温警告灯が点いて[RED STOP]が点灯しているでしょう。これだけの条件にするのが一番簡単です。(2)気化器が所謂パーコレーションを起こしてエンジン回転が「不安定」な状況を越えて、エンジン停止を度々起こす。アクセルに反応しない状態が続ずく。(3)たびたび、冷却系から不都合が発生して(冷却水が沸騰している結果)、走行を停止してボンネットを開けてアイドリングを続けても解決の見込みがなさそうである。これはオーバーヒートでは無くて、キャブレーターのパーコレーションでは無いのか?と「反論」があるでしょう。(2)(3)が問題であることを認めて始めましょう。
 ※ ここで、一応「大車林」の「オーバーヒート」の項を参考に記載しておきます。
「エンジン温度が異常に高くなることにより、エンジンの運転継続が不可能になる現象。ラジエーター内の冷却水温度が上昇し、その蒸気圧がラジエーターキャップの圧力以上になったとき、ラジエーターから蒸気が噴き出す現象。また、広義には燃料系中に気泡が生じて燃料供給がとだえる現象も指す。」とあります。また「オーバークール」の項には、液冷エンジンでは84℃が適温である・・・とも記載されています。エンジンは「熱機関」ですから、かなり高温である方が能率が良い筈ですから、もう少し高い温度ではないのか?とも感じていますが・・・。おおむね私の出した上記の現象(1)(2)(3)で良いようです。
 このような現象はシトロエンに限らず、多くの輸入外車でも発生しているのですから、日本の道路事情に関係する問題であり、何か「特別の工夫」で解決が出来れば行いたいでしょう。この状況は車の設計が古ければそれだけ増大しているでしょうし、地球温暖化、都市のヒートアイランド現象も考慮するべきものでしょう。
 これでは取り留めの無い話になるだけで、DSのテーマにはなりません。そこでDSに限った冷却系の問題としましょう。そうすると、先ず具体的になることは「ラジエーターの位置と容量不足」が考えられます。これらはDSのデザインに起因していると考えられますが、エンジン・ルームを眺めていても問題解決にはなりません。ラジエーター容量を増やすには「コア増し」しかありません。これも既にラジエーターが垂直より後傾している状況からは「限界」があることは明白です。しかも上にも横にも拡大は不可能です。そこで位置を前に出せるのかが問題になります。
 そこで、前項の最後に載せたDSのエンジン・ルームを使ったSM−プロトタイプが可能だろうか?の問題になります。これを良く見ますと、前方にラジエーターが移動していますが、この位置にはDSのサブフレームの横メンバーがあります。この位置には新ラジエーター固定ボルト用に穴を2個開けるだけで「大型ラジエーター」が設置可能です。これはSMプロトタイプの製作時にも当然考えた結果であると想像します。 SM TECHNICAL DESCRIPTION から、もう1枚SM-PROTOTYPEの最終型の「写真」を載せましょう。前のものと比較して下さい。
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 SMのV6エンジンはDSの古い直4よりもウオーター・ジャケットの位置は低い筈ですが、SMのウオーター・ポンプは最後部ですので、ラジエーターまでの距離は約2倍になっています。それ故に、明らかにウオーター・ポンプの能力は強力になっていると考えられます。これが最後まで問題になります。

●改造の問題点
1)この場所にラジエーターを移設した場合に使用出来るラジエーターはどの程度のものが入るのか? ラジエーター屋で調べた所、ハイエース・ディーゼル3L用が可能でした。具体的には約1.5倍の容量になります。配管径(45mm )もニッサンの部品係の方が親切に調べて下さり、アトラス(トラック)用が合うと教えてくれました。( ¥ 1.390×2セット購入)
2)容量の増加と共に重要なのが、ラジエーターの表面積を広くすることでしょう。この点でも適当でしょう。1)、2)でかなりの効率向上が期待されます。
3)この位置にすると、高さが約10cm 程度下がりますので、サイフォン効果がエンジン停止後に期待できなくなります。具体的に言えば、ラジエーター内の冷却水の温度が下がっているのに、エンジンに戻り難くなっているのです。
4)この位置に移動するのですから、当然、ファンは電動ファンにすることになります。これは利点であり問題点とは言え無いかも知れません。(エネルギー使用上は効率的になるのですから)
5)本来のテーマとは違いますが、エンジンルーム内のメンテナンスは文句無く容易になります。これは捨て難い利点です。

◆私の診療所に近くのJ大の教授が長く通院されていました。この方の専門分野が前に書きました「ボイラー関係」でしたので、多くのアドバイスを頂きました。結論から言えば「ポンプが回っている限り大丈夫」ということになりました。但し、DSのポンプ能力がどの位かは「不確定」のままでのことです。このような経過をたどって、私のDSをTEST BENCHとして、クーリング・システム実験とも言える事を始めてしまったのです! 途中の「写真」を取り合えず載せましょう。ラジエーターに関する限り、SM-PROTOTYPEとほぼ同じになっています。何度も何度ものTRY&ERRORの歴史ですから写真も何度も変わりましたので、ご了解下さい。
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by citroenDS | 2005-08-11 23:46 | DS の整備と解説


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