[ドライブ・シャフトのダストカバーの交換]
■コメント
 前項でドライブ・シャフトを急遽交換したのは、車検整備でウレタン製カバーが壊れているのを見つけて予備に持っていたものに交換した時のポイントをまとめたものですが、この時にはダストカバー(BOOTとも書かれる)を交換している時間が無かったからで、一般的にはダストカバーを交換するのが目的でしょう。
 ドライブ・シャフトのダストカバーの交換は意外に面倒な作業手続が必要なのです。前項のようにドライブ・シャフト自身を取り出すのは、DSでは他の車と比較すれば簡単なのですが、ダストカバーの交換は全く一般の車と同様です。内側の三つ又ジョイント( Tri-Axle )とシャフトとの”スプライン”を抜かなければなりません。面倒な作業を省略したいために、S工場では私のGSのダストカバーの交換を私の見ている前で「三つ又からボールのみを外して」そのままゴム・カバーを引き伸ばして順に通してしまったのには驚かされました。シャフト径のカバーの穴を5倍位伸ばして無理矢理三つ又を通してしまうのですから、交換した時からもう半分は破れかかっていると言うべきでしょう! 恐らく、皆さんは見ていないでしょうから、正規に作業をして組立たものと思っていたのではないでしょうか? そうでないと何度も破れるものでは無い筈です! 如何でしょうか?

◆用語解説
 ここで、ドライブ・シャフトを論ずる時には、用語に付いてキチント解説し使用した方が良いと考えました。十字軸ジョイントは折れ角があると等速性がないので、2つ組合わせて相殺してダブルカルダン型ジョイントになっています。DSの場合がこれになります。等速ジョイントにはボールを使ったボールジョイントであるツェッパ型があります。GSやCX以降がこれになります。
 これらはアクスル側で、ディファレンシャル側は TRI-AXLE =3軸型とか TRI-POD =3本足型と解説されていますが、日本ではSディイラーの解説書には「三つ又ジョイント」と記載されています。従って、私は多くの場合に「三つ又」と記載していますが、3軸型が直訳では正しいことになりますので、ご了解下さい。「大車林」でも3軸型とか3本足型と記載されています。これはディファレンシャル側でジョイント・ハウジングの中で伸縮して「等速性」になってることは前述しました。

□解説
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 ここでの作業はスプラインを抜くことに始まり、元のように圧入することで終わります。スプラインを抜くには「写真」のように「カム・プーリー」を抜いた時に使った「プーラー」を使いモーター式のインパクト・レンチで廻しました。JBMでは専用工具 [ DRIVESHAFT SPIDER PUSHER & PULLER TOOL; T001; TRIAXE PUSH-PULL $ 60 ]を売っているので購入しても良いでしょう。1回で元は取れると思います。私は押し込むには、工場に大抵ある油圧式のプレスを利用しました。叩き込むのは[ TRI-AXLE ]のスプラインを狭くして入り難くするので止めた方がよいです。むしろ禁止です! 抜く前にシャフトと三つ又の相互位置をマークしておく方が位置が同じになりますから圧入し易いでしょう。大抵、忘れる・・・!
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 抜いたドライブ・シャフトと三つ又( TRI-AXLE )、ローラー、抜け止め(サークリップ)の「写真」ですが、ローラーにはニードル・ベアリングはありません。これでうまく回っているのでしょうか? 次に中間にある[ VIBRATION DAMPER ]を外します。ドライブシャフトは左右で長さが異なるので外側のダンパーに右側に「青」左側に「黄」色のマークがあります。これらをネジを抜いて取り除くとドライブ・シャフトのみになりますから、2つのダスト・カバー(JBMではブーツと書いている)を順に入れることが出来る状態になります。「写真」
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 先ず、ダブルヨーク(カルダンジョイント)に被せるダストカバーを入れます。ここに写っているものは、JBM製のもので、オリジナルのものよりも外縁の部分が深く=長く造られています。JBMいわく[ M 0010: OUTER BOOT FOR DRIVESHAFT ; EDGE WEARS ON ORIGINALS ,SO THEY NO LONGER SEAL TIGHT ]なので、これに交換したほうがよいですよ・・・となるのですが、さすがに良く出来ております。$20位のものですからオリジナルよりも安くて推薦します。三つ又側は[ M 001: INBOAD TRIANGULAR BOOT ]で、こちらの方が倍ぐらい高い値段です。私はオリジナルを持っていました。これらを間違いなく入れたら組立る前に「三つ又」をドライブシャフトに圧入して完成です。くれぐれも「インナー・シール」をお忘れなく!!!

●アドバイス
 申すまでも無く、この項の作業はグリースとの戦いに尽きます。ですから、現在のような夏にはやりたい作業ではありません。ウエスと言うよりは「古い下着」などを沢山用意して下さい。手は勿論のこと身体じゅう、ドライブシャフトの構成部品も全てがグリースだらけになってしまいます。それに、インナーシールを入れる時に指先を使って押し込みますから、私など「商売がら」後始末が大変です!
 プーラーを使うにせよ、専用工具を使うにせよ、そのネジを廻すには手の力では無理ですから「インパクト・レンチ」を必要とします。

◎このドライブ・シャフト関連の項には、出来るだけ「写真」を多く掲載するようにしました。「百聞は一見・・・」の項目ですから・・・
 車検の時にも、この周辺のグリース汚れをキレイにしておくことは「印象を良くする」ので有利であると思います。やりたく無い所に「手を入れてある」のが重要であるのは論を待たないでしょう。
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by citroenDS | 2005-08-04 00:13 | DS の整備と解説


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