[ドライビング・ランプのステアリング連動装置]
[ドライビング・ランプのステアリング連動装置]

□解説
 ステアリングとヘッドライトが連動する機構は、シトロエンの発明では無くて、1927年 Le Wattou が特許をとっていますし、1928-1930年頃 Pierre Delcourt のC4 Speciale に使われて発明賞を与えられています。この頃のものは単に機械的に金属ワイヤーで引く程度のものですが、シトロエンの装置にしたところでステアリング・ラックの回転運動を前後運動に変え、逆L型の金具で方向を90度変えて金属ワイヤーで左右に引く点は同じ事。ランプの基部にピボット軸を持っている程度の事でしかありませんが、その機構自体よりも、それを積極的に大量生産車に採用した「精神」の方が大切でしょう。実際、現在ですら正式に採用したメーカーが無いことを見れば解るのです。(from;TOUTES LES CITROEN)
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  車がベント・コーナーを曲がろうとする時、普通のヘッドライトではコーナーの進行方向は暗くて見えないのですが、1968 年DS21が採用した4灯式の内側の Long renge iodine lamp はステアリングに連動していますが、車体はステアリングと共に動くのでは無く、弾性要因のためにタイム・ラグがあるので、ドライバーの視線は車が曲がり始める直前にコーナー方向を見ているので、ランプの動きはステアリングの動きに直ちに反応する必要があります。このあたりの計算がシトロエン社の特許になっているようです。このシステムにより、夜間走行の安全性は30%向上したと記載されています。内側のランプの動きは外側よりもかなり大きく、またホイールの角度よりも大きくなければならず、最大角は80度に達するそうです。(from; Le Double Chevron: No 10,11;1967年秋・冬号)特に、No 11号はDSの50の安全性特集号です。 その11番目に[ This is an auxiliary headlamp. But it is no ordinary one; It is one of the Citroen long range headlamps which is serial on the DS 21 Pallas and optional on the ID and DS. It turns according to the steering lack of the front wheels for ligthing the curves. It thus seriously increases nigth driving safty.]と記載されています。
 このシトロエン広報誌には紹介したい「写真」が数多く載っていますので、それらを紹介する為に私の車の写真は省略いたします。
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■コメント
  このドライビング・ヘッドランプは、人々の興味を引くには充分過ぎるものですが、実際には(少なくとも日本の道路状況では・・・)あまり有効であるとは感じられ無いのが私の感想です。それは、一つにはメイン・ヘッドランプが上向きで、ライトコントロール・レバーを押して、4灯全点灯の状態になる使用条件があまり日本では無いのが一番の理由でしょう。そこで配線を変えて、このドライビング・ランプのみで市内走行をして遊んでみたのですが、それでは、ステアリング連動で動く方向が大き過ぎて、バラバラになってしまい有効な照射ではなくなります。カタログに使われている写真のようなアルプス等の曲がった山道なら、きっと「素晴らしい」と感じるのでしょう。
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 最近の国産車のものは、反射板を動かすのでしょうが、センセーショナルな報道を見ませんので、それ程有効では無いのでしょう。恐らく、日本ではまだ照射角度が小さいものしか許可になっていないのでしょう?
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by citroends | 2005-06-05 01:42 | DS の整備と解説


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