[ヘッドランプのセルフ・レベリング装置]
[ヘッドランプのセルフ・レベリング装置]

□コメント
 DXモデルではヘッドランプが常に一定の上下方向を照射する装置が備わっていますが、これは主として車体のリヤーの上下動に対応していると思われます。この装置は、前後のアンチ・ロールバーよりケーブルが右前のサブ・フレームまで床下を引っ張って来られています。このことに就いては、既にトランクの奥にあるアンチ・ロールバーの所で紹介しました。この装置は日本仕様ではケーブルが切断されて「殺されて」いました。恐らく、現在でも日本ではヘッドランプの上下コントロールは、許可されていないでしょう。車検場では多分知らずに個人輸入されたDSには装備されているものと思いますが・・・ 二玄社刊シトローエンでは、DSではこの装備は見送られてSMで初めて採用されたと誤記されていますが、これは日本仕様が上記のようにこの装置が殺されていたからでしょう。
 実際にDXモデル(最上級モデル)にのみ装備されたもので、2灯式の時から装備されていたと思います。ワイヤーを引っ張る方向が勝つようにランプは動くと思われますから、このコントロールは主としてノーズダイブとスクオットの影響を無くするものと考えられます。ハイドロ・ニュウマチック・サスですから、荷重による姿勢変化に対応する必要はないのですから・・・

■解説
 サブフレームの右前部まで床下を引っ張って来られた2本のケーブルは、1本にまとめられてコントロール・ロッドを後下に引きますが、この力のバランスとして前上へスプリングで引いています。これがヘッドランプの上内側のスピンドルに接続されて、ヘッドランプの上下のコントロールをしています。このコントロール・ロッドは前からは、かなり強いスプリングで引かれて、後へはハイトコレクターに似た形の「ディレイ装置」で引かれてバランスしていますが、これらは右側に集中しています。このディレイ装置は当然サスペンションのハイトコレクターのダッシュ・ポットの作用と同じで、過敏な動きを抑制しているのです。
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 この装置の解説図(611;5-541/5 )を紹介します。
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 661;5-541/5 の図のパーツ名を主なものだけ記載しておきます。
[Selfe levelling Headlamps device (front part)]
1:Delay device 2:Connecting rod 3:Adjusting rod 4:Integrator 5:6:Lever only 7:Contorol rod 8:Spring for Rod 9:End piece (Nylon) 10:Hook for Spring 11:Spindle on Headlamp 12:Adjusting Knob 13:Nut 14:Lever Spring 15:Bearing for Levers 16:Clip for Bearing 17:Lever Washer.

 ヘッドランプには Cibieと Marchal がありますが、私のDXには Cibie が付いていました。Cibie のランプは「写真」のように実に立派な絵になるランプであり新品同様でした。ヘッドランプ・ハウジングはプラスチック製で、メインランプの取り付け用には、上内側は「切り欠き」で、3隅にネジ孔があります。ランプ本体の方には4隅に取り付けボルトをはめるナイロン(弾力性)の孔があります。さて3点支持でなければランプの方向を調整出来ないのは明らかですが、どの3点支持であるのかは、固定式であるのか、レベリング式であるのかで異なります。
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 内側上が上下調整で、写真の長い調整用のボルトにナイロン製の受け具が付いているものです。これにコントロール・ロッドの先の部分がはまります。内側下が左右調整用で短い調整ボルト付きます。残る1本が外側下でランプ固定用です。固定式にするには、使っていなかった外側上が上下調整用になりますので、左右調整用と同じ新しい専用ボルトが必要です。

●この装置の功罪について私の経験から、見解を述べてみたいと思います。
 DSの前側ウイングを外す度に面倒なのが、ライト・コントロール装置を外す作業です。ステアリングに連動する2灯は残しておきたいが、メインの上下コントロールは車検時に光軸を決める度に「不安定」ですし、DSのダンパーも既に記載しましたように、時代と共にエンジンのパワー・アップ等により3回以上改良、強化されてきました。DSのリヤーの上下動は、後輪の荷重が小さい時にバネが柔らかいので顕著に現れるのですが(実際、後からついて走ってみると、見てはいられない位にひどいものです!)DS23では足を硬めたので、あまり有効ではなくなったのではないかと考えて取り外すようにしたのです。この装置を無くすのは、下級モデルにすることですので、とても不思議な気分になってしまいますが、Simple is Best ! に徹する決心をしました。これで「写真」の鉄棒1本と付属部品が無くなりますし、ウイングを外した時に内部でランプがぐらつかなくなります。
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 固定式にするとランプの上下調整は外側上になりますから、左右調整用と同じスクリュウとノブが必要になります。これで一度調整すればランプの照射方向は安定するメリットがありますし、配線を戻すのも楽になります。やってみると、実にスッキリとしました。
 さて、取り外したみたところ、この装置が如何に有効であったのか! が解りました。特に、発進時に前の車のバックミラーを照射してしまう事を発見しました。かなりバネとダンパーを固めたと思ったのですが、さすがにハイドロ・ニュウマチックでありました!!!
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by citroends | 2005-06-05 01:32 | DS の整備と解説


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