[バルブ・クリアランスの調整]
■コメント
 排気ガスの測定値がどうも不安定だと感じるようになったのも、ほかのレストア?がそこそこ終了してきたからでもあり、ユーザー車検対策が身に付いてきたからでもあるでしょう。私が試みた方法は、シリンダーから高圧コードを1本ずつ抜いて同じようにエンジン回転が低下し、振動をするかを調べてみる簡単なことでした。その結果判明したのは、1番シリンダーを殺しても、他のシリンダーを殺した時ほどエンジン回転の低下、振動の増加が感じられないことでした。 
  エンジンを輸入したのですからそれなりの整備はしてあったでしょうし、その上S自動車工場で載せ替えた時にも、ある程度のことはしたであろうと考えるのが普通ではないでしょうか? この条件の上でシロウトが考えるのは、圧縮圧が低いのか?という程度のこと位で、Moli-Up-Sprayをしてみようと考えたのです。このスプレーをする時に付けるノズルが短いので(プラグ・ウエルが深いので)もう1本繋ぐ必要がありました。しかし、何も効果も感じられないのは、このての「サプリメント?」の常でしょう。このノズルが丁度シリンダーの上死点を決める際に「役に立つ」のです。溶接棒を同様の目的に使って取れなくなり苦労した実例を知っていますから、燃えてしまう材質のものを使うようにご注意しておきます。
 プラグを全て抜いて、スターターで廻すのは、止めたいところで止まらないからダメです。それではカム・ナットで廻すのはと考えますが「厳禁」と書いてあります。やはり正規の方法;ナンバー・プレートを外して、クランク棒で廻して地道にやるより仕方がないのです。
 調整前の状態をまとめておきましょう。まだ、キャブレターを交換する前です。(1)1番シリンダーを殺してもアイドリングが低下しない=不安定にならない。(2)排気ガスを測定しながら順にシリンダーを殺してみると、CO値にあまり変化は無く、HC値は1番で 3,000ppmになるのに、他のシリンダーでは 2,000ppmです。従って、1番シリンダーのINバルブの開くのが遅いのか、EXバルブの開くのが早や過ぎるのではないか?という予想を立てたのです。いずれにせよバルブ・クリアランスに異常ありと決定しました。。

□解説
(1)[ヘッド・カバーを外す]
 エアクリーナを外してから、2本の銅ワッシャ付きボルトを抜いてカバーを外します。アルミ鋳物でなかなかの品物ですが、デザインは古くさいものでしょう。さて、内側を見ると「真っ黒」なのに驚かされました。私のGSのものは軽くウエスで拭くだけでキレイになったものでしたが、多くのメカニックに聞いたところでは普通はこんなもののようです。先ずはラッカー・シンナーを流し込んで、ナイロンブラシで擦り落としましたが錆よりは大分ましでした。その後「ホーミング」で洗い完了しました。カバーの内側には 2N132-2(4)と刻印があります。フィルターやガスケットは新品に替えてありました。「写真」
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 ロッカー部分は比較的キレイでレクトラクリーンとキャブクリーナーを吹き付けてウエスで拭き取る程度で済みました。この部分はDSエンジンとCXエンジンとはほぼ同一です。吸気側ロッカー・シャフトは1本で、これに4本の長いプッシュロッドで押されて動くロッカーが並んでいます。排気側はそれぞれ4組のロッカーとシャフトが斜めに配置されています。「写真」はIN側を示していますが、デスビ・ローターは3番シリンダーを示していますから(点火=上死点)この場合には「3番のIN側」を調整することになります。
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(2)[バルブ・クリアランスの調整]
 バルブ・クリアランスの調整は、高圧コード、点火プラグ、デスビ・キャップ等は既に外してありますから、1番シリンダーから順におこないます。プラグ孔には[上死点]マークをしたプラスティク棒を差し込んでおき、その位置まで上昇するまでクランクを廻します。ここで1番が吸気上死点の時には、4番が排気上死点であると言うように、1ー4、2ー3の組み合わせがありますが、このように能率的に行わずに排気側を1→2→3→4と手間をかけて行っても良いと私は考えました。何回かクランクを廻して調整していると、その度に多少変わってくるようです。調整には10mmメガネ・レンチ、マイナス・ドライバーとシックネス・ゲージを用意します。「写真」
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 クリアランスは [COLD]時;IN側 0,15mm、EX側 0,2mmです。[HOT]時;IN側 0,2mm、EX側; 0,25mm ですが、私はどうも [HOT]時に行うのは熱いので嫌いです。さて、実際に測定してみると、1番シリンダーのEX側にクリアランスが無いことを発見しました! また、4番のEXが 0,3mm以上でした。この調整を2回繰り返して終了しましたが、1番は予定どおりでしたので、これで改善ありと確信してヘッドカバーを元に戻しましたが、ガスケットが新しいので少し小いさく作業中に外れてしまうので、ガスケットをカバーにバスボンドで接着しておいた方が良いと思います。プラグの周囲にオイルが溜まるのは、プラグ・シリンダー(円筒)基部からですから、木片を置いて軽くハンマーで叩くと治ります。上方のゴム・パッキンからではありません。
(3)[結果]
 エンジンをかけますと以前よりも振動が少なく、時間が経ってもアイドリングが安定しています。また、1番プラグを抜くと調整前とは違ってエンジン回転が落ちます。順に抜いて行くと全てのシリンダーで同じになりました。手動でクラッチを切り「レーシング」をすると 7,000rpmまで軽く回ります。これで良しと嬉しくなって「ユーノス」に行って、いつもの測定器で排気ガス測定をしたところ、CO値:1,6 %: HC値:300ppm と出ました! ついでに、まだ使ったことがないという[圧縮圧測定]をしてもらいました。なじみのIメカニックがプラグ孔に差し込んで押え、私がスタータを廻して測定した結果は、全てのシリンダーが揃って約11kg/平方cm+となりました.メデタシ、メデタシ!
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by citroends | 2005-05-15 21:57 | DS の整備と解説


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