[リヤ・ブレーキの点検、整備]
◆ コメント

 シトロエンの油圧配管系が複雑で手間の掛るのに比して、DS のブレーキ系はフロントもリヤも実に簡単であり、シロウトの手におえる範囲であることはウレシイものである。ここで再度記載するまでもなく、フロント・ブレーキ系はインボード・ディスクであるから、ブレーキ・クリーンで清掃して終わりであり、ブレーキ・パッドの交換は大型の安全ピンを外すだけである。
 リヤ・ブレーキもボルト1本でリヤ・フェンダーが外れるから全ての作業は充分過ぎる視野が確保されているから、ゆっくりと座って楽しめる。フロントと同様にハブと無関係に作業が出来ることが「利点」である訳です。パーツ屋のカタログの中に、DX-451-017a;Rear Brake Shoes(4),sedan:$35 を見つけた時、日本でライニングを貼りかえるには、この値段では出来ないと考えてすぐに注文した。所が「DS のリヤは交換する程減りませんよ」と笑われてしまった。DS のブレーキ・ドラムはハブ・シャフトと2本の小さなボルトで止められているだけであるから、ドラムはハンマーで叩けばタイヤを止める 5 本ボルトをハブに残して簡単に外れると書いてあるので、ドラムの周囲を叩けど「カンカン」響くだけでどうにもならない。
 CRCをボルトの周囲とドラムとハブの接続部に吹いてから、センターを「ゴン」と叩いたら「反動」で簡単に外れた。良く考えれば当然の話であった。このブレーキ・ドラムの重量は何と約 4.5kgもあり、直径 30cmもある大物である。ドラムが外れると中にブレーキ・シューが見える。皆さんのご期待に反してライニングの残りは、前上が 1mmで、後下が 3mmと片減りがあるものの、 2mmで新品の5mmからすると交換してもよい時期でしょう。

◆ 解説
 ブレーキ・シューの交換をするには、バック・プレート(残った大きなお皿)の裏にある14mmナットを廻して「調整用カム」を緩めて、シューを接近させてから、ステンレス製のスプリングを外す。次に、中央部にあるガイド・ロッドを裏側からおさえて、スプリング・キャップを押しながら90°廻して外す。これには、特別の工具があるが1mm位の鉄線で自作しても良し、勿論、手で廻せるが指は痛くなるかも知れない!残るのはシューの下部の14mmナットであるが、これが曲者で錆ている上に材質が悪く厚さが半分しか無いから廻らない!バイスグリップで廻さなければならず、新しいナットを探さねばならない。
 特別のサイズのナットでボルト径が9mmなので、日本では手に入らないからディーラで古いボルト、ナット類の中から探し出したが困った問題だと思います。その奥のシューの大きな穴に「偏心ナット」がはまっていますが、これがまた錆びて動かない。大きなソケットを下に置いて、小さなソケットで叩きだします。
 要するに、リヤ・ブレーキは減らないからと、フランスでは全く整備していなかったのでしょう。その位にフランスのガレージのレベルは低いと思った方が正しいのだろう!さて、バックプレートの錆をどこまで落とすか?は、美的センスの問題になりますが、適当なところで「妥協」しなければならないでしょう!「写真参照」
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 錆び落としをして、ブレーキクリーンで洗って、ジンク・プレートやシールコートを使い分けるのは何時もの通りです。最後が一番上にあるブレーキ・シューを開くブレーキシリンダー・ユニットです。まだ、緑色が残っているしダスト・キャップのゴムも完全であった。念のため、分解してブレーキ・クリーンで清掃してLHMを入れて元に戻して完了です。数年前、車検整備で LHM漏れが少量あったので、J.B.Mで売っているシールキットと交換しました。BRAKE CYLINER SEALS:$13.50。
 組立は以上の作業を逆に行うのであり、問題は特にありません。ブレーキ・シューの
位置調整にはいろいろな方法が書かれていますが、センターから同一の半径になるように糸を張り一回りさせて見ればOKであるし、バックプレートの円周と比較しても見当はつく。次の車検の時に点検して片減りがあれば修正すれば良いと思う程度のこと。
 また、ドアーを開けたままでブレーキ・ペタルを踏むと「カタン、カタン」と小さな音がするので「あそび」が解りますから、それで判断しても良いと思います。ブレーキ配管とシリンダーからのエア抜きは、シリンダーの背面にキャップがありますから、型の如く行えば終了です。組み立て完成「写真」
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のように、シンクプレート(亜鉛塗装)でドラムをアンダーコートして表側にはシャシーブラックを吹いて完了しました。

◆ アドバイス
 私はユーザー車検で17年間(3、2×7回)済ませてきましたが、本来、ブレーキ点検は走行 5,000km未満は省略してよい項目になっていますが、いつまでも省略していて良い筈はないだろうに、今迄、一度も提出した整備記録を点検したようすがありません。また、ブレーキ系の点検、整備はプロが行うことになっているので、一応、私は点検した写真を車検証に入れてありますが、それで良い理由にはならないでしょう。
 構造を説明してハブを触らずに出来ると主張するつもりですが、口実を作らせないように充分に注意して、「ピカピカ」にして持って行くようにしています。オイル漏れも一切なしです! DS,CXでは後輪の油圧が低いので(トランクが空で荷重が低いからでは?)ブレーキ力が出ないと言われていますが、私はトランクにタイヤや工具などで一杯にしているので、今迄に一度も落ちたことがありません。ディーラーでも後輪ブレーキの検査の為に、車高をMAXにして受ける(MAXにすれば油圧もMAXになるから)と言われていますが・・・CXに比べればDSはミッドシップ・エンジンであるからでしょうか?。

◇参考
(1) 前後輪いずれにせよ、メイン・フレームの四隅をジャッキで固定して作業をするのは、ハイドロ車の作業をする上での常識ですが、タイヤを外すにはサスペンション・アームもジャッキで上げる必要があるので、4個以上のジャッキを日頃から用意しておくことです。油圧式の2トン・ジャッキを1台、普通のパンタグラフ式も数個集めておくように、お薦めしておきます。
(2)リヤ・ブレーキ・シューのデータを記載しておきましょう。サルーンとブレック(safari,wagon等、カタログでも不統一)では、サイズが異なります。ライニングの幅;Break:45mm,Berline:35mm.ホイール・シリンダー・ピストンの径Break:20mm,Berline:18mmで、当然後輪荷重の大きくなるBreakの方がサイズが大きい。また、サスペンション球も500ccに対して700ccであったと記憶しています。
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by citroenDS | 2005-03-20 13:08 | DS の整備と解説


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